「『夢みたい』っていう歌はじまりのフレーズを聴いた瞬間に、『これだ!』と思いまして(笑)。自分が歌う想像もできましたし、私自身が歌わなくても好きな曲だなあと思うぐらい第一声からビビッときたんですよ。なので、やっぱり聴いた方に元気になってもらったり、一歩踏み出してもらう力強さを表現できるよう歌っていきました。あと私、曲の中にDメロや落ちサビがあるとすごくうれしいタイプなんですけど(笑)、この曲はそこがいちばんエモーショナルな部分になっていると思うんです」
曲作りにあたっては、“誰かに笑顔になってもらいたい”“曲を聴いて元気になってもらいたい”という希望を出したのだとか。MVにも彼女の意向が反映されているようだ。
「私は本を読む仕事をしたくて声優を目指したので、その本というものに込められているメッセージをこの歌でも表現したくて、MVにも本を取り入れさせてもらいました。本を開いてカーテンがふわりと舞い上がって外の景色がキラキラして見える最初のシーンで、新しい一歩を踏み出すときの物語を、声優アーティストである自分とつなげたいという気持ちもありましたね」
一方、カップリング曲では和風の恋愛ソングに挑戦するなど、ファーストシングルでは多くの経験を積むことが出来たよう。曲中では「夢みたい」と歌った彼女だが、ソロデビューを果たした今の夢は何なのか?
「私はずっとゲームっ子だったので、いつか自分が遊ぶゲームの主題歌を担当したいです! あと、ちょっと気が早いとは思うんですけど、コラボもしてみたいんです。実は私、声優さんの歌のなかでは内田彩さんの曲が大好きで、かわいさとか、声優アーティストとしてひとつ目標にしたい方なんです。目標と好きが噛み合うことって難しいとは思うんですけど、内田さんと一緒に歌えるのなら、ぜひ挑戦したいです!」
満を持してアーティストデビューを飾ったことで、また新たな目標が生まれた高野。いつの笑顔が絶えない彼女なら、ゲームの主題歌や内田とのコラボが“夢みたい、夢じゃない”となる日も、そう先ではないはずだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.154(2021年2月26日発売/太田出版)