普段何気なく捨てているごみ。指定の日に分別したものをごみ捨て場に持っていけば完了、勝手にリサイクルされているものだと思っていませんか? 実際のところはどうなのでしょう。
『図解でわかる 14歳から知るごみゼロ社会』では、詳細なデータをもとに、現在世界が抱えるごみの問題について分かりやすく解説しています。
今回は「ごみ処理方法」についての解説を一部ご紹介します。

日本でメジャーの「焼却」、世界ではマイナー?
世界の国々では、ごみをどのように処理しているのでしょう。世界全体で見ると、最も多いのは「埋め立て」(36.7%)。次いで多いのが「オープンダンプ(開放投棄き)」(33%)です。ごみを野積みにするオープンダンプは、途上国に多く見られ、衛生面で問題があるため、改善が望まれています。一方、日本で主流の「焼却」は11%と意外に少ないことがわかります。

OECD(経済協力開発機構)に加盟する主要先進国を比較した下のグラフを見ても、「焼却」が5割を超えるのは、日本と北欧諸国だけ。ただし、北欧では、焼却によって発生する熱を、発電や地域の暖房に有効利用しているのに対し、日本での焼却は、ごみを減らすことが主要目的で、熱利用は二の次です。また、土地の広いアメリカ、カナダなどは「埋め立て」が中心。ごみを再生する「リサイクル」「コンポスト(堆肥化)」の割合が高いのは、リサイクル政策を推進する韓国とヨーロッパ諸国です。

参考:OECD(2018年)
こうして見ると、焼却率が7割を超え、リサイクル率が2割に満たない日本は、先進国のなかでは特殊だといえるでしょう。

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本書では、人々の文化の発展とごみの歴史、今考えるべきごみの問題、そしてこれからの課題についてわかりやすく解説しています。『図解でわかる 14歳から知るごみゼロ社会』(インフォビジュアル研究所)は全国書店・通販サイトや電子書店で発売中です。「図解でわかる14歳からの」シリーズは、現在第19弾まで刊行されている人気書籍です。ごみ問題のほか、水資源、気候変動などの環境課題、地政学、資本主義、宇宙開発、食料問題、LGBTQ+、防災などなど、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3~4カ月毎に刊行されています。
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インフォビジュアル研究所