県はインフルエンザ警報を発令した。
保健所別では那覇市が59・25人と最も多くなっている。南部、八重山、宮古でも警報水準の30人を超えている。
年齢別では60歳以上が349人と最多。次いで20~29歳、40~49歳となり幅広い世代で広がっている。
今後は冬休み明けの子どもたちの感染拡大が懸念される。集団感染が起きないよう、各家庭での感染予防はもちろんのこと社会全体で警戒を強める必要があろう。
県内では昨年12月中旬ごろから患者数が増加。県は同27日から注意報を発令していた。
インフルは全国的にも流行している。
12月30日からの1週間に報告された患者数は14万人余に上り1機関当たり33・82人だった。年末年始を挟み医療機関の休診などの影響で41都道府県で減ったものの、警報水準は続いている。
都道府県別で1機関当たりの患者数が最も多い岐阜(70・67人)では先週、老人ホームでの集団感染が発生し、入所者1人が亡くなった。
県外では一部で医療逼迫(ひっぱく)や治療薬の供給不足も起きている。県内での感染拡大に備え県や自治体は医療機関と密に連携してほしい。
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県内では新型コロナ禍後の23年から3年連続で冬季にインフルが大流行している。昨年は1月に発令した警報が3月末まで続いた。
インフルの主な感染経路はコロナと同じ飛沫(ひまつ)感染だ。感染予防策が広く浸透していたコロナ禍で大きな流行が起きることはなかった。
コロナが感染症法上の5類に引き下げられ日常生活の制約がほぼなくなったことでの対策の緩みや、免疫力の低下がインフルの流行につながっている。
23年にはコロナとインフルの同時流行も発生した。双方とも重症化予防にはワクチン接種が有効だ。
特に幼い子どもはインフルによる脳症での死亡例もある。
感染予防としていま一度マスク着用、こまめなうがいやアルコールによる手指消毒など一人一人が基本的な対策を徹底したい。
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流行のピークは例年1~2月だ。今週末には大学入学共通テストが行われ、受験生やその家族にとっては重要な時期となる。
高齢者をはじめ重い症状を起こすリスクが高い人の感染にも気を配りたい。インフルもコロナ同様に潜伏期間がある。大勢が集まる場所ではマスクを着用し、適切な換気を心がけてほしい。
何より体調の異変を感じたら受診することだ。無理に出社したり、学校に行ったりすれば感染を広げかねない。「うつらない・うつさない」行動が求められる。