仲程長治氏(主催者提供)

 沖縄県大宜味村の旧塩屋小学校をメイン会場に、本島北部11カ所で開催されている「やんばるアートフェスティバル2024ー2025」(主催・同実行委員会、2月24日まで)。県内外の作家55組(エキシビション部門33組、クラフト部門22組)の作品を展示・販売している。
8回目となる今回のコンセプトは「山原本然」。「本然=ありのまま。本来あるべき元々の姿」を大切にしたいという思いを込めた理由などを、総合ディレクターの仲程長治氏に聞いた。
一口メモ:やんばるアートフェスティバル
2017年から開催されている地域芸術祭。県内外の作家が作品展示やワークショップ、関連イベントを開き、これまでに延べ35万人が来場している。
変わりゆく自然の中で作品を作る意義

「やんばるアートフェスティバル2024ー2025」のコンセプトを語る仲程長治総合ディレクター=1月、大宜味村立旧塩屋小学校

 ―コンセプトは「山原本然」です。これに込めた意味を教えてください。
 僕なりの解釈では、「変わらないこと」「本来そこにあるべき姿」と捉えています。昨年11月の沖縄本島北部豪雨の影響で、川が氾濫したり崖崩れがあったりしたことで、見慣れた風景が少し変わりました。でも考えてみたら、自然はこうやって姿形を変えることが本来の姿、本然です。その自然や、そこにある人や暮らしにアーティストが関わりながら作品を作っていく、ということも、「本然」という言葉に含まれていると思います。あらゆるものは変わっていくことが必然だけれど、今回の作品に触れた人の中には、変わらずにずっと残り続ける何かがあるかもしれません。


クラフトマーケット(主催者提供)

 ―仲程さんは元々、自然をテーマにした写真をよく撮っています。自然とアートの関係性をどう捉えていますか。
 木1本にしてもアートですよね。絶対にまねできないですもの。本当のアート作品というのは、ここ(旧塩屋小学校体育館)から見える塩屋湾の風景とか、そういうことですよね。世界自然遺産にも登録されている豊かな自然の中で自分たちのアート表現ができるのは本当に素晴らしいことだと思います。

大宜味村立旧塩屋小学校から望む塩屋湾の風景=1月

 ―やんばるアートフェスティバルも今回で8回目を迎えました。これまでを振り返りつつ今後をどう見据えていますか。
 県外から何度も参加されている皆さんは「ただいま」という感じで帰ってきています。海外アーティストの参加も、コロナ禍を過ぎて今回から本格的に再開しています。やんばるの自然はアーティストにとって刺激ある場所です。ここで、ここならではのアート(表現)をやりたいという人もいっぱいいます。
来場される方も、できれば長期滞在してもらって、森を見て、海を見て、アートを見て、朝日も夕日も楽しめるやんばる3村を満喫してもらいたいです。たとえ雨が降っても「今日は雨だった。でもそれが良かった」と思えるほど、さまざまなやんばるを感じてほしいと思っています。

大宜味村立旧塩屋小学校=1月

メイン会場:大宜味村立旧塩屋小学校
開館時間:11:00~17:00
入場料:一般500円 高校生以下無料 / 沖縄県内在住者300円
休館日:毎週火曜・水曜
 
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8回目のやんばるアートフェス 2月24日まで開催中 コンセプト「山原本然」に込めた意味 
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