「いつ謎の感染症に感染するかという恐怖があった」。2020年1月、日本で最初の新型コロナウイルス感染症が確認された。
関東の病院で救急科の看護師として働く弟も、当初からコロナ患者の看護に当たった。いつ自身が感染するかもしれない恐怖、手を尽くしても目の前で消えていく命に、無力感さえ感じたという。
 江戸時代末期、福井藩の町医者で漢方医の笠原良策が、死の病とされた「天然痘」を解決するため、蘭学を学び「種痘(予防接種)」を普及させた実話を基にした本作。偏見や無理解と闘いながら命を救おうとした姿は、現代の医療従事者にも通じる。天然痘が唯一根絶された背景には、世界中の多くの医療関係者の努力があったことを思い出させる。
 コロナ禍を経て私たちは日常に戻ったが、その陰には医療関係者の命を懸けた奮闘があった。鑑賞後、改めて感謝の思いをかみしめた。
(DX推進部・屋良朝輝)
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