沖縄県農林水産部は、サツマイモ基腐病(もとぐされびょう)に強く紫色の肉色が濃い紅イモの新品種「沖育19-1」を「紅(べに)つよし」と名付け、今年1月には県奨励品種に選んだ。各地のほ場で増殖されており、順次生産者へ配布される予定だ。

 紅つよしは主流の「ちゅら恋紅(こいべに)」と同等程度の収量。甘みは控え目で、加工に適する。
 サツマイモ基腐病は2018年に県内で発生確認された。イモを黒褐色に変色させたり、腐ったりさせる。
 農業研究センターは2015年から、基腐病に強い「沖夢紫(おきゆめむらさき)」と加工用品種「ムラサキマサリ」を交配し、抵抗力のある品種を開発を進めてきた。ちゅら恋紅が60%の発病率なのに対し、紅つよしは13・3%と低い。
 県は2024年1月に農林水産省へ品種登録出願した。昨年12月には商標権を取得。拠点産地の市町村には苗700本が配布され、増殖作業が進められている。
 県は従来品種と並行して紅つよしの普及に取り組む。前門尚美農林水産部長は観光土産の加工品原料として需要が高いとし「優良種苗の供給体制の整備を進め、生産現場への普及を図りたい」と述べた。(政経部・金城紅映)
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