【金武】沖縄県金武町の米軍ギンバル訓練場跡地で大型リゾート施設建設を計画していたマレーシアの大手不動産開発会社「トロピカーナ・ランド・ディベロップメント」が、建設コストの高騰などを理由に昨年12月末、事業撤退の意向を町に文書で通知したことが分かった。町は今後、同社との土地賃貸契約を解除し、新たな事業者の誘致を進める方針だ。


大型リゾート施設建設計画は、サンライズビーチ(中央)沿いの緑地部分に予定されていた=2023年3月、金武町・米軍ギンバル訓練場跡地(同町役場提供)

 町は2012年、同社と20年間の免除期間を設けた土地の賃貸契約を結んだ。計画では、米軍ギンバル訓練場跡地(60ヘクタール)のうち約16ヘクタールに、ホテル(190室)やヴィラ、商業施設などを整備し、約800人の雇用創出を見込んでいた。
 しかし、同社は一部の土地造成工事を完了したものの、その後の建設工事を進めていなかった。町は22年から毎年、進行状況の報告を求めていたが、契約から12年が経過した24年12月27日、同社から正式に撤退の意向が伝えられた。
写真を拡大 リゾートホテル計画地

 ギンバル訓練場は1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で、ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)を同町内のブルービーチ訓練場に移設することなどを条件に全部返還で合意。当時の儀武剛町長が2007年にヘリパッド移設受け入れを表明し、11年7月に返還が実現した。
 現在、米軍ギンバル訓練場跡地にはKINサンライズビーチ海浜公園や温泉宿泊施設、医療施設などが整備されている。(北部報道部・下地広也)
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