沖縄では異例のこの寒さ、原因は…　来週また寒気が入ってきます！

 

　先週のコラムでお伝えしましたが、今年の2月は休暇を利用しながらプロ野球キャンプ地巡りをしました。先週末は1日で3球団を観戦し、今年はこれまでで5球団の観戦をしました。一気にこれだけの球団を回るのは初めてでした。

2月8日(土)北海道日本ハムファイターズ名護キャンプ ※筆者撮影
2月8日(土)阪神タイガース宜野座キャンプ ※筆者撮影
2月8日(土)中日ドラゴンズ北谷キャンプ ※筆者撮影

　2月14日(金)のバレンタインデーが近いからでしょうか、先週末の各地の球場では、お菓子の紙袋などを手渡しするファンの姿もありました。選手の穏やかな表情を間近で見られ、練習の観戦ができるのはキャンプならではと改めて感じました。
　先週末はかなり寒く、県内各地の最低気温は10℃くらいまで下がり、北寄りの風が強く吹いていました。日中は時折青空が見えていましたが、厚手の洋服の方が多く、県外からお越しになったファンの方からは「寒い」という声も。
　南国沖縄をイメージして来られたと思うと申し訳ない気持ちにもなりました。特に名護キャンプは海風が強烈でのぼりの文字が見えないほどの強風となっていたのが印象的でした。
　沖縄でも異例のこの寒さ、いつまで続くのでしょうか。
寒気の特徴は“西回りで幅が広く長い”
　沖縄地方は今年の1月下旬から2月にかけて、断続的に寒気が入っています。異例とも言えるこの寒さの原因は“西回りの寒気”です。北国だけではなく、西日本全体に寒気が入っているのが特徴です。今回の寒気の特徴として、“西回りで幅が広く長い”ということです。沖縄も長期的にその影響を受けています。

寒気の流れ ※ウェザーマップ

　1月から2月にかけて、沖縄地方は基本的に寒気に覆われていまして、時折暖かくなるのは“たまたま寒気の隙間に入っているだけ”の状態となっています。来週前半ごろから、また寒気が流れ込んでくる予想となっています。これまでのような強烈な寒波ではなさそうですが、慣れない寒さはもう少し続きそうです。

2月19日(水)の上空の寒気の予想 ※2月14日(金)時点、ウェザーマップ発表

　沖縄気象台は、2月19 日(水)ごろからかなりの低温が予想されることから「低温に関する早期天候情報（沖縄地方）」を発表し低温への警戒を呼びかけています。2月下旬にかけても、この時期の平年の気温よりも低い傾向が続く見込みです。(5日間平均気温平年差－2.5℃以下)
2月後半にかけても気温が低い予想
　3月2日(日)にかけての那覇の天気と気温の予想を見てみましょう。長期的に入り続けている寒気の影響で、2月下旬にかけても、平年のこの時期の気温を下回る傾向となりそうです。最高気温は20℃に届かず、最低気温は13℃くらいの日が多く、寒さが続く見込みです。

那覇の3月2日(日)にかけての天気と気温予想 ※2月14日(金)午前11時、ウェザーマップ発表

　沖縄地方に寒気が入る時の天気の特徴として、冬型の気圧配置のときは“曇天傾向”にあり、今回の寒気も曇りベースで北寄りの風が強まる日が続く見通しです。
今週末は気温上昇のち雨

沖縄本島地方・大東島地方の予報 ※2月14日(金)午前11時、ウェザーマップ発表
宮古島地方・八重山地方の予報 ※2月14日(金)午前11時、ウェザーマップ発表

　今週末は天気の変わり目となりそうです。寒さは緩み気温が上がる予想です。2月15 日(土)に沖縄本島の北の海上に低気圧が発生する見込みです。低気圧に向かって湿った空気が流れ込むため、その影響で県内全域で断続的に雨が降る予想です。

2月15日(土)午後9時の予想天気図 ※2月14日(金)午前11時、ウェザーマップ発表
2月16日(日)午前6時の雨と風の予想 ※2月14日(金)午前11時、ウェザーマップ発表

　今のところ、雨のピークは15 日(土)の夜から16日(日)の朝にかけての予想ですが、プロ野球キャンプの観戦に行かれる方は、念のため、雨の対策も考えつつ行動をすると良さそうです。
崎濱綾子
気象予報士／防災士（株式会社ウェザーマップ）
　沖縄県宜野湾市生まれ。ミスはごろもとして地元の観光大使を務める。RBC琉球放送でラジオ・テレビのリポーター、QAB琉球朝日放送で気象キャスターを担当。2005年に沖縄初の女性気象予報士となる。2005～2016年3月までRBC琉球放送の夕方のニュース番組で月～金曜日の気象キャスターを担当。2016年4月から東京の本社で勤務。Yahoo!ニュース動画出演・記事執筆を担当。Yahoo!ニュースエキスパート。好きな天気現象は、夏至南風（カーチーベー）。