[県歯科医師会コラム・歯の長寿学](357)
 日本は世界有数の長寿国です。沖縄もかつては長寿県として知られていましたが、そう言われなくなって久しいです。
その要因として(1)米国型食習慣の普及(2)運動不足による肥満症や糖尿病の増加(3)働き盛り世代で肝疾患や糖尿病といった生活習慣病の合併症による死亡率が高い-などが挙げられます。
 私の診療所にも、高齢の方にかかわらずさまざまな病気を患う患者さんが来院します。一般の方にはあまり知られていませんが、全身の病気と口の中は密接な関係があります。病気によって治療法や薬剤を変更する必要もあります。
 例えば、糖尿病と歯周病では糖尿病から歯周病が悪化することもあれば、その逆の場合もあります。血圧などによって麻酔薬を使い分ける必要もあります。血液サラサラの薬や骨粗しょう症の薬を服用されている場合も治療法が変わってきます。薬によっては歯茎が腫れることもあり、この場合は通常の歯周病治療をしても腫れは改善しません。
 ご自身の病気に対して理解のある方がほとんどですが、「お薬手帳」を提出してもらえると、より一層患者さんの全身状態を把握して、歯科治療に生かすことができます。できれば、内科などから出ている健康手帳的な血圧や糖尿病の状態、血液検査の結果が記載された文書などがあるといいです。
 歯科医院に行くときは、保険証(マイナンバーカード)だけでなく、お薬手帳や内科などからの検査結果が記された文書の提出をお願いします。薬に変更があったときや、新たな検査結果が出たときも再提出をお願いします。
(寺西真、寺西歯科医院=豊見城市)
病気と口内は密接な関係 効果的な治療に生かす「お薬手帳」 歯...の画像はこちら >>
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