同市真志喜のアパートの一室で、4日間ほど新聞受けから新聞を取った気配がないことに気付いた販売店の配達員が、店主の富村博さん、店長で妻の里美さんに連絡。博さんがすぐに大家に伝え、ドアを開けてもらったところ、この部屋に住む74歳の女性が倒れていた。大家と博さんが119番通報して、女性は病院に搬送された。体は痩せ細り、脱水症状になっていたという。
女性は群馬県出身で宜野湾市出身の男性と結婚し、長年、市内に住んでいた。夫婦2人暮らしだったが、約20年前に夫が他界し、独居していた。
同県に住む妹が電話で毎日安否確認していたが、昨年12月末、群馬産の野菜と餅を送ろうと電話したが取らず、心配していたという。大家から連絡を受けた南城市に住む夫の親族が妹に連絡した。
販売店を訪れた妹や親族は、女性の容体が落ち着いたことを報告し、「その節はお世話になりました」とお礼を述べ、手土産を手渡した。
富村さんは「日頃から、雨でも洗濯物が外にある、門の外灯や家の電気が朝までともっているなど異変がないか気を付けている。困ったときはみんなで声をかけ合う『互助』の地域社会を築いていきたい。販売店と配達員の役割でもある」と述べた。
自治会関係者らからは「日頃から地域住民に人一倍気を配っていることの成果」と評価する声が上がった。