[3.8国際女性デー] [step with you]寄り添う社会へ
県内企業 女性応援取り組み紹介
女性が輝ける社会は誰もが輝ける社会。そんな豊かな未来を実現するため、みんなで手を取り歩むことにこそ、かけがえのない価値があります。
琉球銀行
TRY!管理職育成研修オンライン提供 当事者目線で意欲に応える
管理職を目指す女性行員向けのコーチング・マネージメント研修で意見交換する参加者=那覇市東町・琉球銀行本店
琉球銀行(那覇市、島袋健頭取)は、多様な人材が活躍できる環境をつくろうと、2022年から管理職を目指す女性行員を対象にしたコーチングマネジメント研修を実施している。単に研修機会を提供するだけではなく、仕事と子育ての両立でまとまった時間が取りにくく、集合研修への参加が難しい人が多いという女性行員の課題に目を向け、オンラインでの自主学習を中心としたプログラムを取り入れた。当初は同行が参加者を指名して7人でスタートしたが、公募に切り替えてからも毎回20人前後が参加し好評だ。
研修期間は半年間。講義動画視聴など座学でインプットした知識を、現場の実践でアウトプットすることで理解と応用力を高める。講義は最短で1回5分程度で、昼休みや帰宅後の隙間時間で受講できる。チームの力を伸ばす承認力など基本的なコーチングスキルや、怒りのコントロール、タイムマネジメント、自身のキャリアデザインを学ぶ。
受講した事務統括部の松原敦子さん、宮城裕貴さんは「限られた時間内で相手の意図を理解しどう適切に伝えるか考えるようになった」、壺屋支店副長の桃原理沙さんは「管理職になると人をどう動かすかを考えるものだと思い込んでいたが、人を変えるのではなく、自分がどう行動するかのヒントをもらえた」と振り返る。
人事部上席調査役の比嘉梨絵さんは「気づいたことを無かったことにせず、意見として伝えられる女性のリーダーを育成したい。将来的には女性活躍という言葉がなくなるような社会を目指したい」と語った。
琉球銀行
業種:金融
那覇市東町2-1
HP(https://www.ryugin.co.jp)
SOMPOひまわり生命
TRY!がんリスク身近に「サリバチェッカー」 早期発見・治療促し健康応援
がんリスク検査を通し、女性をはじめ働く人の活躍を応援していきたいと意気込むSOMPOひまわり生命保険沖縄支社の白石健支社長(前列中央)ら=那覇市久茂地
SOMPOひまわり生命は、保険本来の機能(インシュアランス)に健康応援機能(ヘルスケア)を加えた「インシュアヘルス」を打ち出し、女性も男性も、働く人の健康を応援する一環として、手軽に取り組めるがんリスク検査を顧客へ紹介している。
慶應義塾大学先端生命科学研究所発のヘルスケアベンチャーであるサリバテック社と連携し、同社のサービス「サリバチェッカー」を活用。検査キットでだ液を採取して送付するだけで手軽にがんリスクがチェックできる(離島などでは利用不可)。
サリバチェッカーは、がんにかかるとだ液中に含まれるポリアミンなどの代謝物の特徴が変化することに着目し、AIを用い、測定だ液中の代謝物の特徴が、がんに罹患している人とがんではない人のどちらに近いかを解析することで、6種類のがんリスクを4段階で評価する仕組み。診断など医療行為ではなく、早期発見・治療のきっかけ作りを目指す。SOMPOひまわり生命の「MYひまわり」に登録すると、会員価格で購入できる。
全国的にも、沖縄も、30~40代のがん罹患(りかん)率は、女性が男性を上回る。県内の女性にもっとも多いがんは乳がん、次いで大腸がんだが、いずれも早期発見で高い治療効果が期待できる。
同社が導入提案した企業からは「若い従業員のがん検診受診率の低さが課題だった。手軽で受け入れられやすい」と好評で、また、リスク評価を参考に精密検査を受けたところ、大腸がんの超早期発見につながった例もあるという。現在、同社経由での利用者は全国で約1万4千人(25年1月末時点)。白石健沖縄支社長は「多くの方の健康維持に役立ててほしい」と話した。
SOMPOひまわり
生命保険 沖縄支社
業種:保険会社
那覇市久茂地3-21-1
「MYひまわり」登録画面(https://mylinkx.himawari-life.co.jp/mylinkx/registration/0010?ch=fyr31&ac=008PY&sp=0001&cp=)
サリバチェッカーのご紹介動画(https://m.youtube.com/watch?v=_frxgrB7AGg)
ピータイム
TRY!女性管理職増へ社内チーム結成 現場の意識 連携力で変える
会社と社員共に働きやすい環境づくりに挑戦するピータイムの社員=那覇市の同社
県内で15店舗の遊技場を運営するピータイムは、女性の管理職登用の推進を目指して、従業員の意識改革を進めている。社内チーム「ぴぃまーる」を中心に、社内制度の周知や女性管理職の座談会開催、男性従業員の育児休暇経験の発信などに力を入れ、働きやすい環境づくりに取り組む。
同社では、順調にキャリアを積む女性従業員がいる一方、育児との両立に悩み昇格を断るケースも多い。管理職になると夜間シフトや土日シフトを求められる頻度も高くなりがちだが、同社では就業規則には未就学児がいる場合には土日シフトを配慮したり、給与体系を考慮する制度がある。しかし、社内アンケートを行ったところ、その制度が知られていない現状が分かった。
管理部人事課の與座貴子さんは、店舗店長と人事部を主軸に「ぴぃまーる」を結成。「制度や各店舗間の情報を共有し、現場の意識を変えたい」と話す。女性管理職の座談会では仕事の魅力や周囲のサポートについて発信。子育て中の管理職、上原優輝さんは「毎日が新鮮でやりがいがある。周囲の理解が深まり、管理職を目指す女性が増えてほしい」と期待する。
また、同社では本年度までに男性従業員5人が育休を取っている。その経験を社内報で伝えた、おもろ店マネージャーの林田秀幸さんは「男性管理職でも育休取得できるという実績を発信し、現場の意識を変えるきっかけにしたかった。
ピータイム
業種:遊技場
那覇市おもろまち4-7-8
HP(https://p-time.co.jp/)
沖縄セルラー
TRY!健康経営深化へ制度改革 ライフステージ沿う支援を
各部署連携しながら制度設計や運用を進める、ウェルビーイング室産業保健師の内間裕美子さん(左)、人事部の太田青子さん=那覇市の同社
沖縄セルラー(那覇市、宮倉康彰社長)が、社の健康経営の推進を目的に社長直轄で立ち上げた「ウェルビーイング室」。3年目を迎え、社員のヘルスリテラシーの向上へ取り組みを加速させている。
活動の柱は(1)生活習慣予防、(2)女性の健康、(3)メンタルヘルスの3つだ。これらをテーマに月1回ペースでセミナーを開催。参加率向上をねらい、オンライン受講環境も整えた。人事部の太田青子さんは「現場の現状に沿った内容が多く、自分事として捉えられた」と評価する。
また2024年8月から「生理休暇」を「ウェルネス休暇」に名称を変更。生理時の不調だけでなく、更年期症状での受診や不妊治療の通院、定期健診の再検査を休暇の対象に追記した。対象者の間口が広がり、取得の心理的なハードルも下がったことで利用者が増えた。
同室産業保健師の内間裕美子さんは「誰もが働きやすい環境が整っただけではなく、制度の利活用について管理職からも問い合わせが来るようになりコミュニケーションが深まった」と喜ぶ。
今後は育児休業中の職員の支援にも注力する。
沖縄セルラー
業種:情報通信
那覇市松山1-2-1
HP(https://okinawa-cellular.jp/sdgs/)
ここちホーム
TRY!女性社員比率高め活躍環境整備 働く母に寄り添う家 体現へ
「働くお母さんのための家づくり」に取り組む、ここちホームの社員=浦添市の同社
「働くお母さんのための家作り」をコンセプトに住宅の設計建築を手掛けるここちホーム(浦添市、又吉拓馬社長)。女性目線の商品展開とサービス拡充で他社との差別化を図る同社は、女性社員の比率向上にも取り組み、今年は全部署に女性を配置。又吉社長は「コンセプトが体現できる体制が整った」と、サービス向上に意欲を見せる。
ここちホームは「水と空気が綺麗な家」を掲げ、生活空間の質にこだわる。24時間換気システムや軟水器を標準装備し、時間に追われる働くお母さんにリラックスしてもらおうとオリジナルアロマも導入。さらに、近年の凶悪犯罪の増加による防犯意識の高まりを受け、防犯システムも新たに標準装備化した。設計前から顧客の住居を訪問し、衣食住の生活パターンを把握し新居の設計に生かすなど丁寧な対応も評判だ。
今後、ここちホームの家づくりを知ってもらい、実際の生活をイメージしてもらうことを狙いに、施工後の宅を訪問して家づくりのよかったことや後悔点などリアルな声を届けるルームツアー動画の配信に力を入れ、毎月の定期的な発信を目指す。この事業にも女性を配置した。
社の重要事業に女性を参画させるだけでなく、子の看護休暇が取得できるよう就業規則を変更し、さらに働きやすい体制を整えた。又吉社長は「働くお母さんの目線を生かしたサービスをさらに拡充したい」と力を込めた。
ここちホーム
業種:注文住宅専門店
浦添市城間3-4-8
公式Youtube(https://www.youtube.com/channel/UCSJsgf6avUR7gTN3ffSkW2A)
フェムテックとは 変わる企業・社会
タブーから社会課題へ
近年、世界的に注目されている「フェムテック」。Female(女性)と、Technology(テクノロジー)を掛け合わせた造語だ。月経(生理)や更年期、妊娠出産など、女性特有の健康課題の改善・解決を目指す製品やサービスを指す。
女性の健康課題は「恥ずかしいこと」などとタブー視されたり、「我慢するべき」と個人の問題にされたりしてきた。沖縄タイムス社が2022年に県内の働く女性を対象に実施したアンケートでも、多くの人が女性特有の不調を感じているにもかかわらず、我慢でやり過ごしていることが多かった。
県内の働く女性へのアンケート結果(2022年、沖縄タイムス社)
フェムテックという言葉や製品が登場することは、単に当事者の悩み改善を後押しするだけでなく、女性自身が自分の体に向き合い、ヘルスリテラシーを高めることや、女性特有の健康課題が社会問題として可視化されることにもつながった。従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することで企業価値の向上を目指す健康経営の一環として取り組む企業も増えている。フェムテックは性の心身にまつわる固定観念や価値観を変えるムーブメントとしても意味がある。
県内経済損失335億円
政府は、生理や更年期など女性特有の健康課題による年間経済損失額として3兆4千億円と試算。
県内損失額の内訳は、更年期症状171億円、月経随伴症63億円、婦人科がん46億円、不妊治療29億円など。損失の内容では、更年期症状と不妊治療は離職、婦人科がんは休職、月経随伴症状はパフォーマンスの低下によるものが大きかった。離職による追加採用にかかる費用も損失に含まれている。
性別問わず人材が能力を発揮でき、長く健康に働ける環境整備の重要性はさらに高まる。
法や政策でも推進
国の政策も動いている。政府は、今国会で提出予定の女性活躍推進法改正案の中で、働く女性の健康上の課題に配慮すべきだと初めて明記。更年期症状や生理に伴う体調不良の女性従業員を支援するよう企業に求める。休暇制度の拡充や相談窓口の整備などを促す。男女の賃金格差と女性管理職比率の公表を従業員101人以上の企業に義務付けることも盛り込んだ。
「女性版骨太の方針2024」でも、フェムテックの推進とさらなる利活用がうたわれている。
フェムテック活用でどう変わる?
企業は
生産性の向上、健康経営推進
人材確保(定着・育成・採用)
多様性ある職場環境の実現
個人は
ヘルスリテラシーの向上
女性へのエンパワメント
社会は
他者理解深まり生きやすく管理職を目指す女性行員向けのコーチング・マネージメント研修で意見交換する参加者=那覇市東町・琉球銀行本店">
がんリスク検査を通し、女性をはじめ働く人の活躍を応援していきたいと意気込むSOMPOひまわり生命保険沖縄支社の白石健支社長(前列中央)ら=那覇市久茂地">
会社と社員共に働きやすい環境づくりに挑戦するピータイムの社員=那覇市の同社">
各部署連携しながら制度設計や運用を進める、ウェルビーイング室産業保健師の内間裕美子さん(左)、人事部の太田青子さん=那覇市の同社">
「働くお母さんのための家づくり」に取り組む、ここちホームの社員=浦添市の同社">
県内の働く女性へのアンケート結果(2022年、沖縄タイムス社)">
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県内企業 女性応援取り組み紹介
女性が輝ける社会は誰もが輝ける社会。そんな豊かな未来を実現するため、みんなで手を取り歩むことにこそ、かけがえのない価値があります。
県内でも、女性管理職を増やす挑戦を続けている企業、女性特有の課題も含めた健康経営を行っている企業、自社の商品やサービスで女性をバックアップしている企業があります。取り組みを紹介します。(企画・制作 沖縄タイムス社営業局)
琉球銀行
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管理職を目指す女性行員向けのコーチング・マネージメント研修で意見交換する参加者=那覇市東町・琉球銀行本店
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研修期間は半年間。講義動画視聴など座学でインプットした知識を、現場の実践でアウトプットすることで理解と応用力を高める。講義は最短で1回5分程度で、昼休みや帰宅後の隙間時間で受講できる。チームの力を伸ばす承認力など基本的なコーチングスキルや、怒りのコントロール、タイムマネジメント、自身のキャリアデザインを学ぶ。
受講した事務統括部の松原敦子さん、宮城裕貴さんは「限られた時間内で相手の意図を理解しどう適切に伝えるか考えるようになった」、壺屋支店副長の桃原理沙さんは「管理職になると人をどう動かすかを考えるものだと思い込んでいたが、人を変えるのではなく、自分がどう行動するかのヒントをもらえた」と振り返る。
人事部上席調査役の比嘉梨絵さんは「気づいたことを無かったことにせず、意見として伝えられる女性のリーダーを育成したい。将来的には女性活躍という言葉がなくなるような社会を目指したい」と語った。
琉球銀行
業種:金融
那覇市東町2-1
HP(https://www.ryugin.co.jp)
SOMPOひまわり生命
TRY!がんリスク身近に「サリバチェッカー」 早期発見・治療促し健康応援
がんリスク検査を通し、女性をはじめ働く人の活躍を応援していきたいと意気込むSOMPOひまわり生命保険沖縄支社の白石健支社長(前列中央)ら=那覇市久茂地
SOMPOひまわり生命は、保険本来の機能(インシュアランス)に健康応援機能(ヘルスケア)を加えた「インシュアヘルス」を打ち出し、女性も男性も、働く人の健康を応援する一環として、手軽に取り組めるがんリスク検査を顧客へ紹介している。
慶應義塾大学先端生命科学研究所発のヘルスケアベンチャーであるサリバテック社と連携し、同社のサービス「サリバチェッカー」を活用。検査キットでだ液を採取して送付するだけで手軽にがんリスクがチェックできる(離島などでは利用不可)。
サリバチェッカーは、がんにかかるとだ液中に含まれるポリアミンなどの代謝物の特徴が変化することに着目し、AIを用い、測定だ液中の代謝物の特徴が、がんに罹患している人とがんではない人のどちらに近いかを解析することで、6種類のがんリスクを4段階で評価する仕組み。診断など医療行為ではなく、早期発見・治療のきっかけ作りを目指す。SOMPOひまわり生命の「MYひまわり」に登録すると、会員価格で購入できる。
全国的にも、沖縄も、30~40代のがん罹患(りかん)率は、女性が男性を上回る。県内の女性にもっとも多いがんは乳がん、次いで大腸がんだが、いずれも早期発見で高い治療効果が期待できる。
同社が導入提案した企業からは「若い従業員のがん検診受診率の低さが課題だった。手軽で受け入れられやすい」と好評で、また、リスク評価を参考に精密検査を受けたところ、大腸がんの超早期発見につながった例もあるという。現在、同社経由での利用者は全国で約1万4千人(25年1月末時点)。白石健沖縄支社長は「多くの方の健康維持に役立ててほしい」と話した。
SOMPOひまわり
生命保険 沖縄支社
業種:保険会社
那覇市久茂地3-21-1
「MYひまわり」登録画面(https://mylinkx.himawari-life.co.jp/mylinkx/registration/0010?ch=fyr31&ac=008PY&sp=0001&cp=)
サリバチェッカーのご紹介動画(https://m.youtube.com/watch?v=_frxgrB7AGg)
ピータイム
TRY!女性管理職増へ社内チーム結成 現場の意識 連携力で変える
会社と社員共に働きやすい環境づくりに挑戦するピータイムの社員=那覇市の同社
県内で15店舗の遊技場を運営するピータイムは、女性の管理職登用の推進を目指して、従業員の意識改革を進めている。社内チーム「ぴぃまーる」を中心に、社内制度の周知や女性管理職の座談会開催、男性従業員の育児休暇経験の発信などに力を入れ、働きやすい環境づくりに取り組む。
同社では、順調にキャリアを積む女性従業員がいる一方、育児との両立に悩み昇格を断るケースも多い。管理職になると夜間シフトや土日シフトを求められる頻度も高くなりがちだが、同社では就業規則には未就学児がいる場合には土日シフトを配慮したり、給与体系を考慮する制度がある。しかし、社内アンケートを行ったところ、その制度が知られていない現状が分かった。
管理部人事課の與座貴子さんは、店舗店長と人事部を主軸に「ぴぃまーる」を結成。「制度や各店舗間の情報を共有し、現場の意識を変えたい」と話す。女性管理職の座談会では仕事の魅力や周囲のサポートについて発信。子育て中の管理職、上原優輝さんは「毎日が新鮮でやりがいがある。周囲の理解が深まり、管理職を目指す女性が増えてほしい」と期待する。
また、同社では本年度までに男性従業員5人が育休を取っている。その経験を社内報で伝えた、おもろ店マネージャーの林田秀幸さんは「男性管理職でも育休取得できるという実績を発信し、現場の意識を変えるきっかけにしたかった。
店舗でのサポート体制などを共有し、女性活躍の課題解決につなげたい」と力を込めた。
ピータイム
業種:遊技場
那覇市おもろまち4-7-8
HP(https://p-time.co.jp/)
沖縄セルラー
TRY!健康経営深化へ制度改革 ライフステージ沿う支援を
各部署連携しながら制度設計や運用を進める、ウェルビーイング室産業保健師の内間裕美子さん(左)、人事部の太田青子さん=那覇市の同社
沖縄セルラー(那覇市、宮倉康彰社長)が、社の健康経営の推進を目的に社長直轄で立ち上げた「ウェルビーイング室」。3年目を迎え、社員のヘルスリテラシーの向上へ取り組みを加速させている。
活動の柱は(1)生活習慣予防、(2)女性の健康、(3)メンタルヘルスの3つだ。これらをテーマに月1回ペースでセミナーを開催。参加率向上をねらい、オンライン受講環境も整えた。人事部の太田青子さんは「現場の現状に沿った内容が多く、自分事として捉えられた」と評価する。
また2024年8月から「生理休暇」を「ウェルネス休暇」に名称を変更。生理時の不調だけでなく、更年期症状での受診や不妊治療の通院、定期健診の再検査を休暇の対象に追記した。対象者の間口が広がり、取得の心理的なハードルも下がったことで利用者が増えた。
同室産業保健師の内間裕美子さんは「誰もが働きやすい環境が整っただけではなく、制度の利活用について管理職からも問い合わせが来るようになりコミュニケーションが深まった」と喜ぶ。
今後は育児休業中の職員の支援にも注力する。
育休前後で対象者と個別に面談し、所属部署の勤務体制や通勤時間、家庭の状況を勘案して、フレックス制度や時短勤務など、どのような社内制度が活用できるか案内する。必要に応じて人事部と連携し、当事者に寄り添ったサポートを目指す。内間さんは「他部署と連携を密に取って支援の輪を広げたい」と意気込んだ。
沖縄セルラー
業種:情報通信
那覇市松山1-2-1
HP(https://okinawa-cellular.jp/sdgs/)
ここちホーム
TRY!女性社員比率高め活躍環境整備 働く母に寄り添う家 体現へ
「働くお母さんのための家づくり」に取り組む、ここちホームの社員=浦添市の同社
「働くお母さんのための家作り」をコンセプトに住宅の設計建築を手掛けるここちホーム(浦添市、又吉拓馬社長)。女性目線の商品展開とサービス拡充で他社との差別化を図る同社は、女性社員の比率向上にも取り組み、今年は全部署に女性を配置。又吉社長は「コンセプトが体現できる体制が整った」と、サービス向上に意欲を見せる。
ここちホームは「水と空気が綺麗な家」を掲げ、生活空間の質にこだわる。24時間換気システムや軟水器を標準装備し、時間に追われる働くお母さんにリラックスしてもらおうとオリジナルアロマも導入。さらに、近年の凶悪犯罪の増加による防犯意識の高まりを受け、防犯システムも新たに標準装備化した。設計前から顧客の住居を訪問し、衣食住の生活パターンを把握し新居の設計に生かすなど丁寧な対応も評判だ。
今後、ここちホームの家づくりを知ってもらい、実際の生活をイメージしてもらうことを狙いに、施工後の宅を訪問して家づくりのよかったことや後悔点などリアルな声を届けるルームツアー動画の配信に力を入れ、毎月の定期的な発信を目指す。この事業にも女性を配置した。
担当者の平良さんはSNSの運用経験があり「集客ツールとして確立したい」と意気込む。
社の重要事業に女性を参画させるだけでなく、子の看護休暇が取得できるよう就業規則を変更し、さらに働きやすい体制を整えた。又吉社長は「働くお母さんの目線を生かしたサービスをさらに拡充したい」と力を込めた。
ここちホーム
業種:注文住宅専門店
浦添市城間3-4-8
公式Youtube(https://www.youtube.com/channel/UCSJsgf6avUR7gTN3ffSkW2A)
フェムテックとは 変わる企業・社会
タブーから社会課題へ
近年、世界的に注目されている「フェムテック」。Female(女性)と、Technology(テクノロジー)を掛け合わせた造語だ。月経(生理)や更年期、妊娠出産など、女性特有の健康課題の改善・解決を目指す製品やサービスを指す。
女性の健康課題は「恥ずかしいこと」などとタブー視されたり、「我慢するべき」と個人の問題にされたりしてきた。沖縄タイムス社が2022年に県内の働く女性を対象に実施したアンケートでも、多くの人が女性特有の不調を感じているにもかかわらず、我慢でやり過ごしていることが多かった。
県内の働く女性へのアンケート結果(2022年、沖縄タイムス社)
フェムテックという言葉や製品が登場することは、単に当事者の悩み改善を後押しするだけでなく、女性自身が自分の体に向き合い、ヘルスリテラシーを高めることや、女性特有の健康課題が社会問題として可視化されることにもつながった。従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することで企業価値の向上を目指す健康経営の一環として取り組む企業も増えている。フェムテックは性の心身にまつわる固定観念や価値観を変えるムーブメントとしても意味がある。
県内経済損失335億円
政府は、生理や更年期など女性特有の健康課題による年間経済損失額として3兆4千億円と試算。
県内でも、沖縄タイムス社の依頼により、りゅうぎん総合研究所(豊田良二社長)が、335億円と試算した。経済産業省が昨年公表した損失額の計算方法を参考にした。
県内損失額の内訳は、更年期症状171億円、月経随伴症63億円、婦人科がん46億円、不妊治療29億円など。損失の内容では、更年期症状と不妊治療は離職、婦人科がんは休職、月経随伴症状はパフォーマンスの低下によるものが大きかった。離職による追加採用にかかる費用も損失に含まれている。
性別問わず人材が能力を発揮でき、長く健康に働ける環境整備の重要性はさらに高まる。
法や政策でも推進
国の政策も動いている。政府は、今国会で提出予定の女性活躍推進法改正案の中で、働く女性の健康上の課題に配慮すべきだと初めて明記。更年期症状や生理に伴う体調不良の女性従業員を支援するよう企業に求める。休暇制度の拡充や相談窓口の整備などを促す。男女の賃金格差と女性管理職比率の公表を従業員101人以上の企業に義務付けることも盛り込んだ。
「女性版骨太の方針2024」でも、フェムテックの推進とさらなる利活用がうたわれている。
フェムテック活用でどう変わる?
企業は
生産性の向上、健康経営推進
人材確保(定着・育成・採用)
多様性ある職場環境の実現
個人は
ヘルスリテラシーの向上
女性へのエンパワメント
社会は
他者理解深まり生きやすく管理職を目指す女性行員向けのコーチング・マネージメント研修で意見交換する参加者=那覇市東町・琉球銀行本店">







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更新:2024-09-10 14:44
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