[男性育休のススメ](上)
 男性の育児休業について学び語り合う「~パパと一緒に育てる未来へ~育休から始まる家族の時間」が16日(日)、県立博物館・美術館で開かれる。イベントに先立ち、トークショーに登壇予定の2人に育休時の経験や国の制度などについて聞いた。
上下2回の連載で考える。(社会部・勝浦大輔)
 タクシー運転手と二足のわらじをはくお笑い芸人のぎぼっくすさん(36)は、現在11カ月になる長男が誕生直後にタクシー会社で1カ月間の育休を取得した。「子どもが生まれた時から夫婦一緒に子育てができるチャンス。子と共に自分も成長できた」と実感を込める。
 妻からの「今は男性で育休を取る人もいるよ」とのひと言がきっかけ。会社に確認すると男性の育休実績はなかったが「ぜひお願いしたい」と申し出ると、受け入れてもらえた。
 産後休暇中の妻と共に1カ月間、「朝から晩まで」子に向き合った。ミルク、おむつ替え、お風呂…。授乳以外は「全てやったつもり」と胸を張る。子のことだけでなく、掃除や洗濯、洗い物などの家事も率先した。
 唯一、自信なさそうに語ったのは夫婦の「食事の準備」。普段から料理をする方ではなく、産後間もない妻に代わって準備する食事は「味付きの肉を焼くくらいだった」と苦笑いを浮かべた。

 それでも、夜泣きした長男を車に乗せてドライブし、短時間ではあるが妻の睡眠を確保するなど役割分担しながらできることに注力した。運転中は固定したスマホを使い交流サイト(SNS)でライブ配信するなど「楽しみながらやる」努力も欠かさなかった。
 息子が生まれるまで、おむつを替えるなどの育児や介護には苦手意識があったという。それがいざ自分の子が目の前に現れると「やりたくない、みたいな気持ちは全くなかった」。おむつ替えでは何度も顔におしっこをかけられたが気にならず「自分にもできた」とのうれしさが勝った。
 「あっという間だった」と育休期間を振り返るぎぼっくすさん。だが「育休を取るのと取らないのでは全然違うと思う。夫婦で一緒に育児に取り組むことで絆も生まれる」と力を込める。新たに子を授かることがあれば「今度はもっと長い期間の育休を取りたい」と笑った。
◆3月16日にイベント
 イベントは16日午前10時~午後0時半。県の男性のチカラ向上応援事業の一環。主催は県こども未来部女性力・ダイバーシティ推進課、受託事業者はうなぁ沖縄・沖縄タイムス社共同企業体。
座学・実践ワークショップやトークイベントがある。定員40人。申込みはフォーム(https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdB76Nf2TkPMSCFXNUpZexq_H5a9uzJOpgdPSkWwyzevo3nHQ/viewform)から。
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