「第76回沖展」の表彰式と合同祝賀会が16日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホールで開かれた。受賞者は入賞や入選の喜びを分かち合い、さらなる創作活動への意欲を語った。
沖展会場のANAアリーナ浦添1階で開かれている併設イベントも、多くの家族連れでにぎわった。
 浦添市のアイム・ユニバースてだこホールで16日にあった沖展の合同祝賀会では、各部門の受賞者が関係者からの祝福に笑顔で応え、今後の創作活動へ意欲を見せた。
 書芸部門でe-no新人賞を受賞した金良健之介さん(19)=南風原町=は初出品での受賞。「師匠の教えを胸に文字を書いた。今後も精神面を鍛えながら書に向き合いたい」と話した。
 染色部門の仲宗根萌さん(24)=西原町=は型染めの着物でうるま市長賞を獲得した。「模様が重なり奥行きの出る朧(おぼろ)型に着目して独自に表現した。紅型職人の道に進むのでこれからも精進したい」とほほ笑んだ。
 2回目の準会員賞を受賞し、沖展会員に推挙された木工芸部門の屋部忠さん(52)=浦添市。「思っていたよりも早く会員となる。審美眼を養う上でも、幅広いジャンルの制作に取り組みたい」と意欲を語った。(社会部・知念豊)
高齢者の創作活動 応援 光文堂黄金賞 田端・与儀・幸地さん
 第76回沖展ではシニア世代の3人が高齢者の創作活動を奨励する「光文堂黄金賞」を受賞した。
光文堂コミュニケーションズの協力で創設。3人は「これからも出品し続けたい」と尽きない意欲を見せた。
 書芸の田端喜代さん(94)=那覇市=は一般の入選者で最高齢だが「自分が90歳を超えているとは思っていないよ」と気持ちは若い。「沖展に向けて友人たちと勉強するのが楽しい」とほほ笑んだ。
 写真の与儀文夫さん(90)=中城村=は「撮影であちこちに出かけるから健康でいられる」と話す。若い世代に向けて「いい写真をたくさん撮って沖展賞を目指して」とエールを送った。
 陶芸の幸地良丈さん(88)=宜野湾市=は、地域の子どもたちの夏休みの課題を手伝うこともある。「健康な限り創作活動を続けたい」と語った。(社会部・末吉未空)
漫画や写真 生徒の力作も 併設イベント
 沖展会場のANAアリーナ浦添1階では、併設イベントとして「沖縄タイムスまんが大賞」の入賞・入選作品や、高校生による「写真甲子園」の応募作、「第72回全琉小・中・高校図画・作文・書道コンクール」で最優秀賞を受賞した図画と書道が展示されている。
 沖縄タイムスまんが大賞は、漫画の分野で新たな表現者を発掘するため、昨年創設された。写真甲子園は、県内4校の生徒の力作を鑑賞できる。
 宜野湾市の島袋一華ちゃん(5)は、ヤギの絵が描かれた「まんが大賞」の作品を指さし、「ヤギがしゃべっていて面白い」と笑顔。
兄の陸斗さん(7)は、「写真甲子園」の白黒写真の作品を見て興味深そうに「昔の写真みたい」と想像を巡らせていた。(社会部・末吉未空)
 
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創造への意欲新たに 沖展表彰式・合同祝賀会 受賞者ら喜び分かち合う 併設イベントにぎわう
光文堂黄金賞を受賞した(前列左から)写真部門の与儀文夫さん、書芸部門の田端喜代さん、陶芸部門の幸地良丈さん。後列は賞を創設した光文堂コミュニケーションズの外間なるみ社長=16日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール(竹尾智勇撮影)
創造への意欲新たに 沖展表彰式・合同祝賀会 受賞者ら喜び分かち合う 併設イベントにぎわう
沖展の併設イベントで展示されている作品に見入る家族連れ=16日、浦添市・ANAアリーナ浦添1階
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