沖縄発ボクサーパンツ専門店　「TURUKAME」コザに誕生　 県内アート界隈とコラボ、新たな表現の場に

パンツ専門店TURUKAMEをオープンした鶴亀本舗の伊禮翔哉社長（右）と比嘉ちなつ店長＝5月28日、沖縄市内

　沖縄発のボクサーパンツ専門ブランド「TURUKAME」を展開する鶴亀本舗（沖縄市、伊禮翔哉社長）は5月25日、沖縄市中央に同ブランドのアンテナショップをオープンした。沖縄のデザイナーやアーティストとコラボした商品を定期的に発売し、ボクサーパンツを下着でありながらアートキャンバスにも変貌させてきた同社。名刺に「パンツ社長」との肩書が光る伊禮社長は「沖縄の新スポットにしていきたい。県外から『沖縄にパンツを買いに行こう』と思ってもらえるほど定着させていければ」と、カラフルな南国カラーのパンツに囲まれながら弾ける笑顔を見せる。
15組の作家とコラボ

「明るいパンツをはいていると、気持ちも明るくなる」と語る鶴亀本舗の「パンツ社長」こと伊禮翔哉社長＝5月28日、沖縄市内

　同社によると、男性用下着の専門店として店舗を構えるのは沖縄県内初で、全国で見ても6店舗ほどしかないという。男性用のボクサーパンツを主力商品に、女性用下着や水着もラインアップしているほか、大阪のブランドTORIOや香港のブランドUNDREXCOREなど、ボクサーパンツ界の“同志”の商品も代理店として販売する。
　TURUKAMEブランドの商品自体は2019年から県内外で販売している。2022年には香港のデパートにも展開させるなど、国境を越えてパンツと沖縄のアートを輸出してきた。
　これまでにコラボした県内の作家は大城英天、pokke104、REPRESENT OKINAWA、イチグスクモードなど合計15組。パンツを表現の場とすることを面白がってくれた仲間たちだ。紅型やシーサー、島バナナやグルクンなど、元気の出るデザインは、例えば額縁に入れて壁に飾っても様になる。店舗を構えるコザをモチーフにしたデザインもあり、地域性を色濃く出すことにも成功した。長く快適に使ってもらいたいと、ツルツルとした生地の質感や耐久性も重視している。
　デザインの種類は80種類以上あり、一部を除いて大半の値段は3850円。
　伊禮社長が大学時代に旅行で訪れた韓国で、初めて買ったブランド物のボクサーパンツ。それまでは安物しか使っていなかった中、あの日の高揚感だけはずっと今も忘れずにいる。それだけに、下着が気持ちに直結する存在だということを誰よりも強く知っている。「明るいパンツをはいていると、気持ちも明るくなるんですよ。自分の遊び心を全てぶつけたいです」
8月2日はパンツの日？

伊禮翔哉社長（左）のビジョンに賛同して仲間になった比嘉ちなつ店長＝5月28日、沖縄市内

　伊禮社長が「パンツ社長」ならば、「パンツ店長」もいる。比嘉ちなつさん。もともとTURUKAMEの下着が好きな客だったが、伊禮社長がインスタグラムで実店舗を持つ予定だと投稿していたのを見て、ここで働きたいと思い続けていた。その矢先、行きつけの理髪店で散髪をしていると、たまたま隣の席だった伊禮社長を発見。「TURUKAMEの伊禮さんですよね？」と話しかけ、店長になることに見事成功した。「自分の好きなことを全力でやろう」と心に決め、もともと勤めていた会社を辞めた。
　伊禮社長は「まさかピンポイントでボクサーパンツ屋で働きたいという人がいるとは思わなかった」と驚いた。比嘉店長の誕生日が語呂合わせで「パンツの日」である8月2日と知った時には運命めいたものすら感じたという。

「女性向けブランドも立ち上げたい」とビジョンを語るTURUKAMEの比嘉ちなつ店長＝5月28日、沖縄市内

　女子サッカーチーム「琉球デイゴス」の選手として活躍した比嘉店長。大会決勝のような大一番の時には、お気に入りの下着を身に着けて気持ちを鼓舞してきた。そんな店長にも野望がある。「女性アスリートやボーイッシュな女性向けのブランドを作りたいと考えています」
　伊禮社長には、沖縄をパンツ界の中心地にしたいとの夢がある。　「沖縄一、日本一、いや世界一のパンツ屋になりたいです」
TURUKAMEウェブサイト
https://turukame.biz/
TURUKAME インスタグラム
https://www.instagram.com/turukame.oki/
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