戦後80年の戦没者慰霊で来県した天皇、皇后両陛下と長女愛子さまは5日、那覇市の対馬丸記念館を訪問された。太平洋戦争中、米軍に撃沈された学童疎開船「対馬丸」の悲劇を伝える展示に見入り、生存者や遺族にいたわりの言葉をかけた。


対馬丸記念館を訪問し、平良次子館長(右)から説明を受けられる天皇皇后両陛下と愛子さま=5日午前11時12分、那覇市若狭(代表撮影)

 対馬丸に乗船し、両親ときょうだい7人が犠牲となった髙良政勝さん(85)との懇談では天皇陛下が「大変でいらっしゃいましたね。前にお会い致しましたね」と声をかけた。
 館内では対馬丸が撃沈した内容を説明するパネルに皇后陛下が驚いた様子を見せ、愛子さまもランドセルやノートなどの遺品に真剣なまなざしを向けた。館内視察と関係者との懇談後は、犠牲者の慰霊碑「小桜の塔」に供花した。
 午後には火災で焼失した首里城の再建現場を視察し、総棟梁(とうりょう)と若手職人から作業の様子を聞き取った。国営沖縄記念公園首里城地区では沖縄国際海洋博覧会から50年となった記念企画展があり、上皇さまが皇太子時代に初めて沖縄を訪れた当時の写真やパネルに目を通した。
 天皇ご一家は2日間の日程を終え、5日夕に沖縄を離れた。県によると、沿道でご一家を出迎えたのは4日が1万2千人、5日が1万3千人だった。(政経部・銘苅一哲、社会部・又吉嘉例)
愛子さま、対馬丸の犠牲者遺品に真剣なまなざし 天皇ご一家、沖...の画像はこちら >>
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