[戦後80年]
 沖縄県立豊見城高校(仲地範禮校長)で5日、慰霊の日を前にした講話会があった。事前の全校生徒アンケート結果が発表され、自民党の西田昌司参院議員によるひめゆりの塔に関する発言が話題になっていることを「まったくわからない」「あまり知らない」生徒が計79・8%に上った。

 アンケートは平和学習講師の仲本和さん(25)が実施し、760人が回答した。「国防政策は政府に決定権があるので個人の意見は関係ないと思うか」との問いに「そう思わない」「あまりそう思わない」との回答が東京の生徒で計73・7%だったのに対し、同校では計23・9%にとどまった。
 仲本さんは「(基地の可否について)答えを出す前に戦後の歴史や今の国際情勢について知ってほしい。他人に意見を委ねてはいけない」と話した。
 アンケートではこの他、「国際情勢が悪化する中、どのように平和を維持するか」も聞いた。同校では「外交」53・3%、「抑止力」37・0%、「敵基地攻撃能力」9・7%の順だったが、米軍基地が集中する中部の高校では「抑止力」42・7%、「外交」38・2%、「敵基地攻撃能力」19・1%となり、結果に差が出た。
 同校2年の儀間琴音さんは「沖縄戦を経験していない人の平和講演を聞くのは初めて。戦後について学ぶことの大切さを知った」と感想を語った。(西平光葉)
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