80年前の激しい地上戦を経た沖縄には、いまだ1850トン以上の不発弾が埋まっていると推定されている。歴史的な建造物跡やビーチなどでも日常的に不発弾が見つかり、多数の住民避難を伴う処理作業も後を絶たない。
(社会部・末吉未空)

 那覇市首里大中町の「中城御殿」の復元工事現場では7月6日、米国製125キロ爆弾1発の処理作業が行われる。避難対象は約760世帯、約2300人に上る。
 発見されたのは、工事の磁気探査中だった5月16日。市が中城御殿の敷地内に直径3メートル、高さ6メートルの処理壕を構築した上で、陸上自衛隊員が爆弾を壕に移動させ、信管を取り外して処理する予定。
 現場から半径249メートル以内の避難対象区域と周辺道路では、同日午前8時50分から住民避難が始まり、同午前9時50分から午後2時まで交通規制があるほか、路線バスの9路線でルートを変更するなどの影響が出る。
 市防災危機管理課の記録によると、避難者数で過去最大規模となったのは、2002年に同市識名で見つかった米国製250キロ爆弾の処理作業で、約3万人が避難対象となった。
 昨年は同市首里山川町でも不発弾が見つかり、約1400人に影響が出た。市の担当者は「市民のことを考えると1日でも早く処理したいが、安全な実施に努める」と話した。
 中城御殿の工事現場では、3月にも米国製5インチ艦砲弾1発が見つかった。県によると不発弾の影響により、来年5月までの工期に遅れが出る可能性があるという。
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