8日に梅雨明けしたとみられる沖縄地方。1951年の統計開始以降、2015年と並んで最も早い梅雨明けとなった。
梅雨の期間で見ても、17日間は過去2番目の短さだ。これだけ早く梅雨が明けて晴天が続くと、ちまたで「水不足」を心配する声も聞こえてくる。沖縄県内のダム貯水率をまとめる沖縄県企業局に見解を聞いてみた。
 県内11ダムの貯水率は10日時点で91.9%。平年より9.1ポイント高く、十分な貯水量を保っている。
 というのも、実は「史上最速」の梅雨明けではあるものの、今年の梅雨期間(5月22日~6月7日)の降水量は那覇や宮古島などで平年の降水量を上回った。
【梅雨期間降水量(5月22日から6月7日まで)(速報値)】
           降水量(ミリ)平年値(ミリ)
那覇      195.0  161.5
名護      118.0  145.4
久米島    165.0  179.5
南大東島   242.0  173.5
宮古島    202.0  143.3
石垣島    121.5  130.7
西表島    146.5  110.5
与那国島   158.0  116.1
(沖縄気象台「梅雨の時期に関する沖縄地方気象情報」)
 沖縄気象台によると、さらに今年は気圧配置の影響で梅雨入りの前から降水量が比較的多かったという。県企業局配水管理課の担当者は「梅雨明けは早かったが、当面の供給に問題はない」と断言する。
 県民の記憶に新しいのは、ダム貯水率が5割を下回り、給水制限になる恐れもあった2024年春。これは例年雨が少ない11月~3月の時期に降水量がかなり少なかったためだ。一方、今年はその期間を含めて降水量は十分にあった。
 「今年に入ってから、常にダムの貯水率は平年値を上回っており、梅雨期間も貯水率は上昇傾向だった。
さらに、これから雨が比較的多い夏場に入る。台風の動向などは注視しないといけないが、特に供給に問題は生じないだろうと考えている」(担当者)
 ただ、水は限りある資源。貯水率は十分とはいえ、私たち一人一人が使い過ぎに注意して大切に使いたい。
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