6月23日の慰霊の日、那覇市のライブハウスOutputは、沖縄戦を風化させることなく音楽を通して平和を伝えていくイベント「琉球魂2025 VOL.22 80年前に起きたこと」を開催する。上江洲修店長がOutputで働き始める以前の2005年から東京と沖縄で開催し続けているイベント。
上江洲店長は「こちらから方向性や答えのようなものを提示するのではなくて、来てくれた人それぞれが『平和をつくる上で大切なこと』を探してもらえたら」と呼びかける。

 

映画「摩文仁」の新田監督、映像とトークで
 佐渡山豊×国吉亮、元たまの知久寿焼、片平里菜の3組のシンガー・ソングライターを迎える。上江洲店長は「慰霊の日という特別な日に平和をテーマにした歌を聴くことで、その歌がより強い力を持ち、平和についてさらに深く考えるきっかけになると思います」と語る。これまで回には、大田昌秀元沖縄県知事やシンガー・ソングライターの竹原ピストル、タテタカコらが出演している。
 また、音楽ライブに先立って、ドキュメンタリー映画「摩文仁 mabuni 」の監督で、ウクライナの戦地で取材を続けるジャーナリストの新田義貴氏が、映像とトークで登壇する。
「自らが行動する」大切さ
 上江洲店長は琉球魂を開催した当時、東京のライブハウスで働いていた。「沖縄県外では慰霊の日を知らない人も多いので、沖縄戦や平和について音楽やトークを通して考えるきっかけになれば」と企画した。

毎年慰霊の日に主催する「琉球魂」への思いを語るOutputの上江洲修店長=5月26日、那覇市の同ライブハウス

 初回開催の2005年は、1990年代後半から2000年代初頭にかけて見られた、いわゆる“沖縄ブーム”の真っただ中でもあった。2000年の九州・沖縄サミットと二千円紙幣発行、2001年のNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」放送を契機に沖縄に対するまなざしがますます熱を帯びた。音楽面でもMONGOL800、HY、ORANGE RANGEといった、沖縄インディーズシーンから全国へと羽ばたいていったバンドが多く存在していた。
 「でも、そういう明るい面だけが沖縄じゃないなと思っていて。自分が思う沖縄にはもっと暗い過去がありますし、そういうことを分かってほしかったんですよね」。
慰霊の日に沖縄戦をテーマにするイベントを東京で開催し、一緒になって考える機会を創出することが、沖縄出身のイベント主催者として「自分にできること」だった。
 戦後80年。今年の慰霊の日も、沖縄中でさまざまな行動が起こされる。このイベントもその一つ。「言葉だけを発するのではなく、実際に行動することが大切だと思います。行動している人ってかっこいいじゃないですか」

6月23日(月)
「琉球魂 2025 VOL.22 『80年前に起きたこと』」
出演:佐渡山豊×国吉亮、知久寿焼、片平里菜
映像・トーク:新田義貴(ジャーナリスト)
17:50 開場
18:00 新田義貴 映像 & TALK (入場無料)
19:00 音楽LIVE(要入場料)
前売り:3500円/当日:4000円(ドリンク代別)
問い合わせ:ライブハウスoutput
outputop@gmail.com/098-943-7031
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慰霊の日に平和伝える音楽イベント 20年続く「琉球魂」佐渡山豊、元たまの知久寿焼ら出演  那覇市のOutput
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