【糸満】糸満市の県平和祈念資料館が、企画展「捕虜になった時-多くの命を救った決断-」を同館1階の子ども・プロセス展示室で開いている。米軍が沖縄本島に上陸した1945年4月1日以降、「捕虜」になった住民の証言などパネル約20点や、投降する住民や日本兵の写真約50点が並ぶ。
証言パネルには、読谷村のシムクガマに避難していた住民を助けた比嘉平三さんが米軍と交わしたやりとりや、米軍が捕虜になった住民を介して壕にいる住民を説得した宜野湾市の神山壕の様子が記されている。
「捕虜になったら男性は戦車でひき殺される」などと書かれた日本軍のビラ、住民が手りゅう弾を米兵に投げつけてパニック状態になった玉城村(現南城市)のタチアブーを紹介するパネルもある。
同館の仲地華さんは「沖縄戦では軍人より多い住民の犠牲があった一方、絶望的な状況の中で捕虜になった人々もいた。なぜ運命が分かれたのか、展示を通して考えてほしい」と呼びかけた。(南部報道部・国吉聡志)