2025年度沖縄タイムス伝統芸能選考会「三線の部」最高賞の選考が7~11日の5日間、那覇市久茂地のタイムスホールであった。応募者79人のうち69人が受験し、18人が入賞を果たした。
棄権者を除く入賞率は26・1%だった。
 県立芸術大学1年の伊江里菜子さんは「自分のできることを頑張った。入賞できてうれしい」と喜んだ。19歳2カ月での入賞は合格者の中で最年少。他にも箏曲、笛、胡弓、太鼓の各部門の最高賞にエントリーしており、「古典はやればやるほど楽しい。この調子で全て入賞できるよう頑張る」と意気込んだ。
 【選考評=金城勉選考委員】課題曲の「茶屋節」と「赤田風節」のいずれにも言えることだが、○拍子をしっかり保ってほしい。ここまで新人賞、優秀賞と通過してきているものの、きちんと保たれている場合とそうでない場合のむらが散見される。習得には基本の徹底しかない。初心に立ち返り、拍子を取る練習をしてほしい。
 また緊張のあまりブザーや途中退場となるケースも見られた。緊張の原因は不安からくるもので、打音、打抜音などの弾奏がうまくできないことで誘発されていたものと言える。

 その一方で、節と拍子がゆったりと丁寧で、弾奏においても満点に近い受験者がいたことは非常にうれしく思った。
 入賞できなかった皆さんは師匠と向き合い、課題は何かを確認の上で鍛錬を重ね乗り越えてほしい。またの挑戦に期待している。
 入賞者は次の通り。(敬称略、受験番号順)
 下地百恵(29)=那覇市▽赤井慎太(36)=鹿児島県▽眞志喜朝太(37)=南城市▽宮城嗣善(72)=西原町▽織田実祐希(23)=那覇市▽金城智可子(48)=那覇市▽奥野浩史(47)=東京都▽瓜生田治(56)=那覇市▽長嶺みな子(62)=那覇市▽中尾千恵子(61)=兵庫県▽ロイゼル歩(43)=南城市▽金城空(19)=嘉手納町▽伊江里菜子(19)=那覇市▽金城英一郎(38)=浦添市▽坂上ひろみ(62)=東京都▽山本佳穂(27)=神奈川県▽江上千沙(45)=東京都▽崎原盛潤(71)=那覇市
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