人生も終盤に差しかかり、一つ後悔があるとしたら、自分の意見や思いをきちんと伝えてこなかったこと。
 愛し合う夫婦の片方が、治療が難しい病気という設定は、先に泣かせようとする意図が見え隠れして苦手だ。
今作も有名シェフである妻が余命宣告をされ、2人の苦悩が描かれるのだが、死へのカウントダウンを互いに刻みながら、絶望を希望のバトンへと昇華させていくさまは見事と言うほかない。ぶつかりながら互いの考えを伝え合いながら、どう生きたいかを模索していく2人が尊い。
 命に「限りがある」ということは誰でも知っているが、きっと明日ではないだろうと大方の人は時間にあぐらをかく。最後の時間の輝かせ方を人任せにしてはいけないと、はじけるような笑顔の2人が教えてくれる。(スターシアターズ・榮慶子)
◇シネマQ、ライカムで上映中
【スターシアターズ・榮慶子の映画コレ見た?】『We Live...の画像はこちら >>
編集部おすすめ