落語家の3代目桂春蝶が、沖縄戦のひめゆり学徒隊を題材にした創作落語「ニライカナイで逢(あ)いましょう~ひめゆり学徒隊秘抄録」を23日午後6時半から、那覇市久茂地のタイムスホールで口演する。1945年の沖縄戦下で、負傷兵などの看護に当たったひめゆり学徒らの葛藤や夢、家族への思いなどを、体験者への取材を基に構成した。

 春蝶は「落語は『虚実皮膜』というのか、フィクションと現実の間にある“真実”みたいなものを描いてきた芸だ。『どうやれば今の人たちに伝わるか』を意識する」と語る。同作を高校で語った際には生徒たちが涙する場面があったという。「今を生きる若者の悩みに、あの時代の少女たちの言葉が響いたのではないか」と手応えを感じている。
 これまでに100回以上、高座にかけた「ニライカナイ~」の沖縄初演は2017年。「終演後は楽屋で30分間は動けなかった」と振り返るほど力が入った。「今回、慰霊の日に合わせた公演を集大成にしたい」と意気込んだ。入場料は前売り3千円。問い合わせは実行委員会(仲村)、電話080(6601)0757。(社会部・真栄里泰球)
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