琉球大学3年の大久保碧さん(20)はホール前の合格者名の張り出しで自分の名前を見つけ、破顔して喜んだ。週3日、1時間超の稽古を重ねた末、前年の新人賞に続く“連続入賞”をつかんだ。「頑張ったかいがあった。将来は箏曲の可能性を追求し、新たな魅力を引き出し表現できる演奏家になりたい」と、さらなる精進を誓った。
【選考評=大城清子選考委員】課題曲「六段菅攪」は難易度の高い曲であり、特に左手奏法における二分五厘や五分、拍子の区別、右手奏法とのバランスが重要です。違和感のある弾き方の受験者がいました。めりはりのある美しい演奏を心がけるには工夫を凝らし、暗闇でも弾き通せるほど稽古を重ね、自信を持って臨んでほしいです。
もう一つの課題曲「仲間節」は、歌に気を取られリズムが狂ってしまった受験者がいました。声楽譜や歌詞をよく理解し、情感豊かに歌い込んでほしいです。
今年は受験者が少なく残念でした。来年は多くの方が挑戦されることを期待しています。
入賞者は次の通り。
(敬称略、受験番号順)
田島乙乃(16)=那覇市▽平良星南(16)=宜野湾市▽香村ことみ(15)=豊見城市▽平安山佐和(56)=那覇市▽大久保碧(20)=西原町