【うるま】地域で「ハブ探知犬」として知られるハッチーが12日に永眠した。飼い主の當真嗣滿(つぐみつ)さん(74)=うるま市勝連平安名=と共に約13年間、ハブの目撃情報があった民家などにボランティアで出張し、ハッチーの嗅覚を生かして手際よく捕獲。
その活動は県内外のメディアやSNSなどで取り上げられ、ファンレターも届くほどの人気だった。19日、取材に応じた當真さんは「元々は捨て犬だったハッチーがみんなに愛され、ハブの咬傷(こうしょう)被害を防ぐ活動に貢献してきた」と話し、相棒と撮った写真を見つめた。(中部報道部・吉川毅)

買い物が好きだったというハッチーと當真嗣滿さん(提供)

 當真さんがハッチーに出会ったのは2012年。新築中だった自宅の工事現場に、生後2カ月ほどで捨てられていた子犬が現れ、ふびんに思って引き取ることにした。名前は縁起がいい数字の8にちなんで付けた。飼い始めの頃の散歩中、道ばたでとぐろを巻いた攻撃体勢のハブが潜んでいることを ハッチーが知らせてくれたおかげで襲われずに済んだことがあった。當真さんは「もしかしたら恩返しだったのかも」と振り返る。

近所の民家に逃げ込んだ蛇をハッチーが捕獲したことを伝える沖縄タイムス2018年5月21日付紙面

 それ以来、ハッチーと二人三脚で地域でボランティアとして活動。近所の民家や保育園などから目撃情報があれば現場を訪ね、ハッチーが軒下などに潜んでいるハブやタイワンスジオなどの蛇を発見し、當真さんが捕獲してきた。その数は13年間で約20匹に上る。「家の周辺には中学校や高校があり通学路となっている。毎日ハッチーと散歩することで、子どもたちの咬傷被害を未然に防ぐことにつながったと思う」と話す。


ハッチーの写真を持って思い出を語る當真嗣滿さん=6月19日、うるま市勝連平安名の自宅

 當真さんは19日、ハッチーが好きな場所だったという自宅の縁側に座り、「家の敷地内で眠るように死んでいた。日課だった朝夕の散歩や買い物も一緒にできなくなりとてもさみしい。幸せだった日々をありがとう」とハッチーの写真に話しかけた。
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ハブ目撃情報あれば出張、嗅覚で捕獲 探知犬ハッチー永眠 飼い主の當真さん、相棒に「ありがとう」
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ハブ目撃情報あれば出張、嗅覚で捕獲 探知犬ハッチー永眠 飼い主の當真さん、相棒に「ありがとう」
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