安須森は歴史書「中山世鑑」で神アマミクが沖縄で最初に創った聖地とされ、現在の地権者は辺戸区と観光事業を手がける南都。琉球王国時代から頂上に足を踏み入れていた記録はなく、地元の人々は山の中腹にある拝所「黄金洞(くがにがま)」や区内の遥拝場所から祈りをささげてきた。
「大切に守ってきた辺戸を象徴する山」と誇る金城恒夫区長は「入らず、ほこらも建てないで、眺めるだけにしてほしい。山中は足場が悪く、遭難したら大変だ」と懸念。注意看板もあるが、毎日のように車の出入りを見かける。
南都の調べでは、ほこらや拝所は1970年代前半にはなかったという。どのようにして建ち始めたかは分かっていない。担当者は「頂上が神様の場所だと知らずに登ったり、誰かが勝手に建てたものに手を合わせたりしてしまう人が増えないように本来の歴史を伝えていきたい」と語った。
村の担当者も「ハイキング感覚で入山する人も増えている。場を荒らさず守っていく対策を、地権者と相談しながら検討したい」との考えを示した。