「男らしさ」「男はこうあるべきだ」など男性のジェンダーをテーマにしたセミナー「みんなで考えよう 暮らしの中のジェンダーギャップ~らしさって何?」(主催・沖縄県、おきなわ女性財団)が15日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるであった。ジェンダーやジェンダーギャップの解決には「これまでげたを履いて考えることを免除されてきた男性一人一人が考え、一歩ずつ向き合っていこう」と呼びかけた。
6月23~29日は男女共同参画週間。(社会部・村井規儀)
 セミナーはスマートフォンアドバイザーの島袋コウ(モバイルプリンス)さんを進行役に男性が直面するジェンダーの課題を語り合った。
 登壇したのは、南西空調設備代表の久高将泰さん、元宜野湾市男女共同参画委員で沖電社員の内間健作さんの「沖縄イキガ」に加え、ジェンダーをテーマにさまざまな媒体で発信している恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表の清田隆之さん。
 清田さんは、職場や飲み会で男らしさを競わざるを得ない男性たちは「心に傷は残るけど傷を直視するとつらくなり、次から動けなくなるからないものにして、どんどん自分の内なる声を無視する」と説明。
 加えて、男性は仲間は多いが友達が少ない、男性同士の関係がうまく結べない点がジェンダー問題の最大のデメリットと指摘し「武勇伝ではなく共感できる、つらい思いを話せる男同士のつながりが必要」と話し、清田さんが取り組むおしゃべりワークの活動を紹介した。
 日本青年会議所(JC)で活躍した久高さんは「ほぼ男性のJCでより重要な位置に就くために、家のことは全て妻に任せきりだった」と、男は外で働いて女は内で支える昔ながらの考えにどっぷり漬かっていたと振り返った。
 長く婚活を続けた内間さんも、婚活では男性のプロフィルに必ず勤め先や年収を記入する欄があったと紹介。「『男は稼いでなんぼ』の意識が強く打ち出されていた」と昔ながらのジェンダー像が苦しかったと話した。
 女性の管理職登用の推進については「女性ばかり優遇されている」と男性が飲み会の場で愚痴るケースも紹介。能力があるから登用されている認識を徹底し、女性管理職に気を使わせる環境の改善も含めて、男性だから女性だからではなく「その人の能力を色眼鏡を外して見ていこう」と呼びかけた。その他にもしーじゃパワーの影響、男性が男性学を学ぶ意味などが話題に上がった。
 てぃるるでは男女共同参画週間に合わせ、多様性時代の婚姻や、戦後の女性史を紹介したパネル展も1階エントランスで開催している。
29日まで。
男らしさって何? 「武勇伝ではなく、つらい思いを話せる関係が...の画像はこちら >>
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