(資料写真)那覇地方裁判所の法廷
被告は被害者から自宅に誘われたが、彼氏がいることを告げられ「ハグして別れた」と主張。暴行は一切していないと訴えた。弁護人は当時寝室で寝ていた交際相手による暴行の疑いにも言及した。
対する被害者は首を絞められ、ズボンを下ろされそうになった時の詳しい状況を苦しみながら証言。被告が自慰行為の最中に発したという言葉も法廷で再現するなど、「実際に体験したものでなければ語り得ないような具体性、迫真性」があると認められた。
こうした被害証言を支えたのが、事件直後の通報、友人へのSOS、当時同居中だった交際相手と警察署に同行した経過だ。判決では高度の信用性を認めた。
判決は、被害証言と被害者が事件後に取った行動と、被告の主張を比較すると被告の訴えはもっともらしいと思わせる証拠や事情が見当たらないと指摘する。
スマートフォンで人々の行動記録が残しやすくなり、今回はメッセージ履歴が性犯罪の立証に役立った。また、被害直後の行動がその後の犯罪立証に大きく関係することも改めて示す事件となった。