映画だけにとどまらない多様な文化発信の拠点になっている那覇市牧志の桜坂劇場が1日、20周年を迎えた。映画、音楽、沖縄の工芸品などを扱うセレクトショップ、カフェ、カルチャーセンターなどを展開している。
取締役でプログラムディレクターの下地久美子さんは「まるで赤ちゃんが一人、大人になったような感覚だが、まだまだこれから。劇場は地域と共にあるもの、人が集まる場所にしたい」と話している。
 桜坂劇場は2005年4月に閉館した「桜坂シネコン琉映」の建物を再利用して、同年7月1日に開館した。映画「ナビィの恋」などで知られる中江裕司監督らが設立した会社「クランク」が運営に当たっている。
 ストリーミングやサブスクリプションが普及する時代だが、下地さんは「映画はスクリーンで見るために作られている。わざわざお金を払って、暗闇の中に身を置いて見ることも含めて映画が『体験』になるんです」と語る。そのためにも、さまざまなジャンルの作品を、さまざまな時間帯で上映している。
 5、6日は感謝祭として「ナビィの恋」や桜坂劇場だけで2万人以上を動員した「米軍が最も恐れた男 その名はカメジロー」など6作品を無料上映する。会員が対象だが、感謝祭期間中は年会費無料で会員になることができる。
 桜坂劇場の今後について下地さんは「この20年でノウハウはたまってきた」と地域に根ざした文化発信への思いを新たにしていた。(社会部・真栄里泰球)
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