全国的に厳しい暑さが続き、熱中症警戒アラートが連日出される中、沖縄県内でも熱中症による救急搬送が増えている。6月23日から29日の1週間で、県内では熱中症の疑いによる新たな死亡が2件確認された。
県や消防によると、新たに死亡が確認されたうち、 東村の70歳男性は、23日朝に一緒に農作業をする約束をしていた友人から「自宅ベッドで倒れている」と119番通報があった。救急隊到着時は既に心肺停止しており、室内は閉め切られていた。クーラーは付いておらず、扇風機だけだった。
もう1人は那覇市内の63歳男性。26日朝に同居家族から「自宅で倒れている」と通報があった。扇風機は付いていたが、エアコンが故障し、室内は蒸し暑かったという。
写真を拡大 熱中症疑いで死亡が確認された例(6月)
県や消防は、梅雨明けが例年より早く、一気に高温多湿な天候となったことで熱中症リスクが高まっているとみる。室内でエアコンを使わず脱水症状になるケースや、夜中にトイレに行くのを避けようと、夕方から水分を取らない高齢者も多いという。独居世帯の増加で周囲に配慮してくれる人がいないことも一因だ。
新型コロナやインフルエンザなどのウイルス感染症も増加傾向にある。那覇市消防局では8台ある救急車が全て出動する事態も発生しており、担当者は「現場到着まで時間を要することもある」と説明。代わりに消防車を派遣するなどして対応している。
エアコン故障時、県などはのどが渇いていなくてもこまめな水分補給や、ぬれたタオルで肌を冷やすことを推奨。救急車を呼んだが方が良いか判断に迷った場合は「#7119」に電話するよう呼びかけている。(社会部・下里潤、豊島鉄博)