沖縄選挙区は、自民公認の奥間亮氏(38)と「オール沖縄」勢力が推す無所属の高良沙哉氏(46)、参政公認の和田知久氏(65)ら5氏が立候補を予定している。
県内主要政治勢力の支援を受ける、いずれも新人の奥間氏と高良氏による事実上の一騎打ちとなる見通しだ。
来年の知事選の前哨戦にも位置付けられる。
参院の沖縄選挙区で自民党は2013年、16年、19年、22年と4連敗を喫し、16年からは非改選議席を含め2議席を「オール沖縄」が独占してきた。
今回、奥間氏が議席を奪還すれば、ほぼ同じ構図が見込まれる知事選へ弾みをつける。
高良氏が当選すれば、全県選挙では「オール沖縄」が底力を発揮し知事選へ好材料となる。
全国同様、最大の争点は物価高対策だ。離島県の県内は物価高や燃料高騰の影響を最も受けているとして、それぞれ県民生活を支援する政策に力点を置く。
自民、公明が国民への現金給付を打ち出しているのに対し、野党は消費税の減税や廃止を掲げている。党の公約などを通じて妥当性を見極めたい。
長引く物価高に暮らしが圧迫される根本には、賃上げが追いついていないという現状もある。県民所得が低い県内では、確実な所得向上につながる道筋を示すことも求められる。
長期的な視野からの議論も望みたい。
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米軍基地の負担軽減も変わらぬ沖縄の課題の一つ。
軍事訓練の激化、広域化で米軍機の騒音増加が報告されている。米軍機からの落下事故や、米兵による事件事故も繰り返し発生するなど県民が安心して暮らす環境が脅かされている。
背景には米軍基地の集中がある。負担軽減策を明示することは国政選挙に立候補する者の責務だ。
政府が進める普天間の辺野古移設については奥間氏が「容認」、高良氏は「反対」と賛否が分かれた。
両氏に問いたいのは、新基地建設が進む中、普天間の危険性除去をどう前進させるのかということだ。
普天間の運用停止は県民一致の要望である。それぞれの立場からどう実現するのか。具体策を聞きたい。
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今回の参院選はこれまでと異なり、事実上の政権選択とも言える。
昨年の衆院選で自公は少数与党に転落した。
SNSでの発信が結果に影響する「ネット選挙」の在り方も問われる。
情報の真偽を見極めるためにも有権者にはネットと並行し、新聞やテレビなどネット以外の媒体でも確認することを勧めたい。正しい情報を基に政策を見極めてほしい。