再建が進む首里城正殿の外壁塗装と向拝柱の彩色作業が完了し、国営沖縄記念公園事務所が4日、報道陣に映像を公開した。外壁塗装は天然由来の赤色顔料「久志間切(くしまぎり)弁柄(べんがら)」を使用し、平成の復元で難しかった“琉球の赤〟を再現。
正殿正面の向拝柱には金箔(きんぱく)や顔料と混ぜた漆で鮮やかに彩色した「金龍五色之雲」が 描かれている。10月末に正殿を囲う素屋根を撤去する予定で、一般客も見ることができるようになる。
 久志間切弁柄は人工の弁柄より深みのある濃い赤が特徴。1846年に書かれた「尚家文書」を基に調査を進め、名護市久志の小川で採取した鉄バクテリアと桐油(とうゆ)を混ぜて天然由来の弁柄を再現した。
 昨年2月から今年6月まで塗装現場を統括した漆芸工房(那覇市)の森田哲也さんは「気温や湿度によって管理が難しい桐油をこれほど大きな建物に塗るのは国内でも首里城くらい。ほっとしている」と笑顔。代表取締役の諸見由則さんも「今後の首里城を守るため若い人も作業に加わってもらった」と話した。正殿内部でも漆を使った塗装が進められる。(政経部・銘苅一哲)
首里城再建 復元難しかった「琉球の赤」 鮮やかに再現 正殿外...の画像はこちら >>
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