昭和の時代は甘えを許さず、とにかく、がんばれ、がんばれで進んできた気がします。けれども令和の時代は「がんばれ」はむしろ死語で疲れたら甘えて休んでもいいのです。
(1)介護疲れのAさん…Aさんは、1カ月前から実家で母親の介護をしています。親孝行の気持ちで兄弟姉妹の協力も得ながら自宅での介護を始めましたが、仕事を休めない兄弟もいて、介護負担が集中し、ストレスが増え、精神的にもう限界かと感じ始めました。母親の担当ケアマネージャーに相談したところ、介護家族の負担軽減のため短期入所できる施設や病院もあるとの情報を知りました
(2)自分自身の入院が必要になったBさん…Bさんは自宅で父親の介護をしていますが、Bさん自身の健診で早期の大腸がんが見つかり、主治医から入院治療を勧められました。でも、父親を代わりに見てくれる人がいなくて困っています
(3)冠婚葬祭で用事ができたCさん…Cさんも同じく自宅で親を介護していますが、子どもが本土に嫁ぐことになり、結婚式を兼ねた家族旅行を提案されましたが、親の介護があるので本土で行事を行うことは無理だと諦めていました
BさんにCさん、でも安心してください。
令和の時代には、このような場合でも助けてあげられる制度があります。介護施設などでのショートステイや在宅療養支援病院などが提供しているレスパイト入院のことです。レスパイトとは、英語で「休息」「息抜き」の意味です。
介護で困ったときには、本当に助かる制度です。しかし、施設や病院などの都合で、今すぐの対応が難しい場合もあります。できれば事前に予約することをお勧めします。
お一人で悩まず、困ったら早めに担当のケアマネージャーやソーシャルワーカー、医師・看護師等にご相談ください。きっとお役に立てると思います。(石原淳、なかがみ西病院院長=沖縄市)