[ファクトデマ チェック]
 参政党の神谷宗幣代表は10日、那覇市で街頭演説後、記者団に「(沖縄戦で)日本軍の方々は沖縄県民を守りに来た」と述べた。演説では「その人たちが戦ってくれたから本土復帰もできた」とも発言した。
ファクトチェックすると、いずれも裏付ける公式資料がなく、「根拠不明」だ。

街頭演説で支持を訴える参政党の神谷宗幣代表=10日午後、那覇市・県民広場

 沖縄戦を指揮した第32軍は1945年4月、「沖縄語を以(もっ)て談話しある者は間諜(かんちょう)(スパイ)とみなし処分す」と発令した。県民を守るのではなく殺害する組織方針を記録した公式文書が残っている。

 実態としても、県内各地で住民をスパイ視、非国民視して殺害した他、壕から追い出したり食料強奪をしたりした。逆に、「県民を守りに来た」ことを示す史料は残っていない。
 「戦ってくれたから本土復帰もできた」という発言も因果関係が不明。NPO「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)の基準で「誤りと証明できないが、証拠・根拠がないか非常に乏しい」ことを指す「根拠不明」と判断した。(社会部・當銘悠)

ファクトチェックの基準
 

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