フィリピン固有とされていた小型のゴキブリが、国内で初めて沖縄県の西表島で確認されたことが14日、分かった。フィリピン以外でも初発見で、想定分布域を大きく広げるという。
東京都立大や磐田市竜洋昆虫自然観察公園、シー・アイ・シーの研究チームが公表した。
 学名は「tagaloblatta kasaysayan」で、研究チームは和名を「キオビマメゴキブリ」と提案。体長は数ミリ程度で、暗褐色の体に黄色の帯模様があるのが特徴だ。
 同種は2017年にフィリピンのルソン島で発見され、新種として記載。研究チームが、21年に西表島で確認され別の属として報告されていた個体や、23年に見つかった個体を詳細に調べたところ、フィリピンの標本と特徴が一致し、同一種と断定したという。
 フィリピンと西表島の採取地は少なくとも1千キロ離れている。研究チームの同公園の柳澤静磨さんは「世界自然遺産の西表島の生物多様性の解明につながる重要な発見だ」と話した。
 研究成果は昆虫学専門誌「昆蟲(ニューシリーズ)」に掲載された。(社会部・塩入雄一郎)
フィリピン固有のゴキブリ、国内で初確認 1000キロ離れた沖...の画像はこちら >>
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