かつお節が程よく香るスープは口当たりマイルド。余韻の残る味わいながらもしつこさは感じず、何度でも口にしたくなる。
店主の米須春美さん(71)に味の秘訣(ひけつ)を聞いてみると、気さくに笑って一言。「ふふっ。いいでしょ、優しくて。お父さん(夫)の性格が出てるんですよ」
夫の清信さん(72)ともども、夫婦そろって大の「そばじょーぐー(沖縄そば好き)」。2004年10月に開業する際、ダンプカーの運転手だった清信さんがスープを、ソーキを春美さんが担当し、2人で試行錯誤しながら味を仕上げた。
お互い納得するだしが調うまで約10年。豚骨ベースに昆布やかつお節、島マースの分量にこだわった。2人で味を確かめ合い、意見がぶつかることもあった。
「舌はみんな違うから。相当てぃーあんだーつけてる(愛情を込めた)さ」と笑う清信さん。1番のこだわりを聞くと「スープが命ですよ」と返ってきた。
舌が喜ぶ軟骨ソーキ入りの「一本松そば」(大850円、小750円)、黒糖で味付けした肉のほのかな甘みがくせになる「本ソーキそば」(千円)や「三枚肉そば」(900円)の他「ゆし豆腐そば」(800円)もおすすめだ。
1番人気は、こだわりスープにニンニクを利かせて3種の肉を全てのせた「スタミナそば」(1100円)。売り切れ必至の「じゅーしぃ」(200円)もリピーターを引き付ける。
土日は「フル回転」で休む暇もないが、客の「おいしい」が活力になるという2人。「お客さんが喜んでくれる昔ながらの店でいたいね」と笑顔を見せた。
(浦添西原担当・新垣玲央)=金曜日掲載
【お店データ】営業は午前11時半~午後3時(売り切れ次第終了)。水・木曜定休。座敷とテーブルの計35席。駐車場あり。電話098(876)2222

