沖縄のハゼは地元愛が強い? 沖縄科学技術大学院大学(OIST)は17日、沖縄本島、久米島、石垣島、西表島のミナミヒメミミズハゼの遺伝情報を解析したところ、個体がそれぞれの島にとどまり成長していることが判明したと発表した。
 ミナミヒメミミズハゼは川と海の間を移動する両側回遊魚。

 OIST海洋生態進化発生生物学ユニットの前田健研究員らがハゼ60個体のゲノム全域とミトコンドリアのDNAを解析。すると四つの島ごとに個体群が独立し、幼生の移動などによる遺伝子の交流がないことが分かった。また、約90万年前は本島・久米島と石垣・西表の2グループに分かれていたことが推定された。
 前田さんによると、元々は陸続きだったものが別々の島になったなど地理的環境の変化により島間での遺伝子交流が減り、四つの独立した個体群に分かれたと考えられるという。
 前田さんは「近い石垣島と西表島の個体群間に交流がないことに驚いた。各島のハゼは生息地が少なく小規模。遺伝的多様性を維持するには生息地の保全が必要だ」と話している。
(社会部・塩入雄一郎)
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