沖縄選挙区は自民の奥間亮氏、参政の和田知久氏、「オール沖縄」勢力が推す無所属の高良沙哉氏ら新人5氏が立候補している。
情勢は奥間氏と高良氏との事実上の一騎打ちだ。全県選挙である参院選の結果は来秋の県知事選にも影響を与えるため、両選対にとっての重要選挙ともなっている。
離島県である県内は長引く物価高の影響をひときわ受けている。物価上昇を加味した実質賃金は2021年からマイナスが続き、今年も改善の兆しが見えない。物価高対策をはじめ足元の生活課題への対応が最大の争点だ。
産業振興も課題だ。足腰の強い経済を実現するにはどんな政策が求められるのか見極めたい。
米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設も対立軸となっている。
基地から派生する事件事故や、米軍機の騒音問題など基地問題も変わらぬ課題である。基地負担の軽減にどう取り組むのか。
選挙中にはSNSを中心に外国人排斥の言動が社会問題化している。差別は放置すれば広がり、社会の分断を招く。
候補者が掲げた公約と、語った言葉をしっかりと吟味したい。
■ ■
今回の参院選はいつもと異なり、事実上の「政権選択」ともなる。
昨年の衆院選で自民、公明が少数与党に転落した。参院でも与党の過半数割れとなれば、政権交代や政権の枠組み変更もあり得る。
ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルによるガザ攻撃はいまだ収束の見通しが立たない。イスラエルはシリアへの攻撃も開始し、世界情勢は混迷を深めている。
「自国第一主義」を掲げる米国のトランプ政権誕生で、社会の分断と対立は一層進んだと言わざるを得ない状況だ。
国内も課題は山積している。少子化は想定以上のスピードで加速し、社会保障制度の在り方も課題となっている。東京一極集中は止まらず、地方は疲弊するばかりだ。
岐路に直面するいま、どんな国のかたちを描くのか。
■ ■
国政選挙では初めて投票日が3連休の中日となった。投票率への影響が懸念されている。
県内の参院選の投票率は低迷が続いている。前回22年は50・56%で、前々回19年も49・0%だった。有権者の半数しか投票していないことになる。
私たちのことは私たちで決めるのが国民主権だ。その代表を選ぶのが選挙である。
人ごと、お任せにする人が増えれば民主主義も揺らぎかねない。
投票へ行こう。