寄贈を提案したのは、県工芸振興センターが実施した2024年度の「金細工工芸縫製研修」を受講した皮革縫製職人の上原光生さん(56)=那覇市。ロバーツ監督へ県民栄誉賞を授与するとのニュースを聞き、研修の成果品として作った紅型と知花花織、琉球絣(かすり)の伝統工芸布を用いた「かりゆしボール」を監督に寄贈できないかと持ちかけた。
ボールの素材は一般の硬式球で、半分は硬式球の革をそのまま使用し、残り半分は伝統工芸布を張り合わせて制作した。工芸布は生地が弱いため、生地裏を芯材で補強するなど工夫したという。寄贈が実現し、同センターに感謝しているとし「研修終了後3カ月でオールドルーキーの作品がドジャース球団に届くとは夢のよう。今後の活動の励みになる」と喜んだ。(社会部・知念豊)