沖縄県特命推進課は、玉城デニー知事らが6月に米大リーグ・ドジャースのデーブ・ロバーツ監督へ県民栄誉賞を授与した際に別途、記念品として紅型など沖縄の伝統工芸布を活用した野球の硬式球を寄贈したと、16日までに公式フェイスブックで発表した。県関係者によると、県民栄誉賞授与セレモニーの前に面談した時に玉城知事がロバーツ監督に寄贈したもので「とても喜んでいる様子だった」という。


 寄贈を提案したのは、県工芸振興センターが実施した2024年度の「金細工工芸縫製研修」を受講した皮革縫製職人の上原光生さん(56)=那覇市。ロバーツ監督へ県民栄誉賞を授与するとのニュースを聞き、研修の成果品として作った紅型と知花花織、琉球絣(かすり)の伝統工芸布を用いた「かりゆしボール」を監督に寄贈できないかと持ちかけた。
 ボールの素材は一般の硬式球で、半分は硬式球の革をそのまま使用し、残り半分は伝統工芸布を張り合わせて制作した。工芸布は生地が弱いため、生地裏を芯材で補強するなど工夫したという。寄贈が実現し、同センターに感謝しているとし「研修終了後3カ月でオールドルーキーの作品がドジャース球団に届くとは夢のよう。今後の活動の励みになる」と喜んだ。(社会部・知念豊)

ドジャース・ロバーツ監督へ古里・沖縄から「かりゆしボール」 ...の画像はこちら >>
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