【宜野湾】宜野湾市の米軍キャンプ瑞慶覧西普天間住宅地区跡地にある琉球大学医学部内のカフェテリアで、市内の3事業者が宜野湾漁港で水揚げされるセーイカ(ソデイカ)の未使用部位を活用した弁当を販売している。「地産地消プロジェクト」と名付け、3者それぞれが商品開発。
学生や教員ら同大関係者から好評だ。(中部報道部・勝浦大輔)
 琉大医学部内で弁当を販売するのは、なごみキッチン(普天間)、ふぁぃみぃる(大謝名)、マキシム(宜野湾)。同部が移転開学した4月から弁当を販売している。
 同時期に、所属する市社交飲食業協会の会長からセーイカ使用の提案を受け、冷やしキムチイカソーメン、イカじゅーしーなどさまざまな商品を考案した。
 なごみキッチンオーナーの呉屋ゆかりさん(51)は、タコライスにセーイカを使った「いかす!ライス」を作った。ひき肉とイカを1対1の割合で混ぜ込み、ほどよい歯ごたえのある食感を演出。ターメリックライスに県産ウコン「琉大ゴールド」も使ったまさに「地産地消」の一品だ。元看護師で、無農薬の野菜、水など栄養面にもこだわる。
 商品開発は「大変だった」という。セーイカの未使用部位はエンペラ(耳)や胴端部分で、そのままでは固い。泡盛で一晩漬けた後に圧力鍋で柔らかくし、細かくする重労働に半日かかる。「いかす!ライス」は木、金曜日の限定販売で、1日20~25食を出すのがやっとだという。

 手間暇の割にもうけには直結しないそうだが、県外出身の学生や職員も多い同大医学部で沖縄の食材を使った商品を喜んでもらえている実感がある。呉屋さんは「おいしいと言ってもらえているので、それでいいかなって」と笑顔を見せた。レトルトパックなどの商品開発も目指すという。
 ふぁぃみぃるスタッフの比嘉よしみさん(65)も「学生さんの『おいしかった』という言葉が力になっている。オーナーも喜んでもらうためにいろいろ試行錯誤していますよ」と話した。
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