署やANAホールディングスによると、男は業務用端末を使い、乗客の氏名や補償の申請番号などの顧客情報を入手。その後、乗客のメールアドレスを自身のアドレスに変更し、補償対象の乗客になりすまして昨年9月中旬から今年4月上旬までに計約380回、約790万円相当の電子マネーをだまし取った疑いがある。
ANAホールディングスによると、3月に乗客から「補償が申請できない」とANAに相談があり、同社が調査したところ、不正が発覚した。社員は4月中旬に懲戒解雇され、同社に全額返済したという。
本紙取材に、ANAホールディングスは「ご迷惑とご心配をおかけしたことを深くおわび申し上げます。信頼回復に向けて、再発防止を徹底してまいります」とコメントした。
再発防止として、業務用端末の顧客情報の閲覧権限を6月から見直したほか、補償を申請した際、顧客が予約した電話番号やメールアドレスに通知が届くようにした。申請していないにもかかわらず、通知が届いた場合は、なりすましの可能性があると気づけるようにしたという。