参院選は、過去最多だった前回2022年の35人を上回る42人で、初めて当選者に占める割合が3割を超えた。
沖縄選挙区で当選した高良沙哉氏は、5人の立候補者で唯一の女性で、ジェンダー平等などを訴えた。
市議選は、定数40に対し、過去最多だった前回13人を超える16人で最多を更新した。女性比率は4割で、県内市町村議会でトップとなった。選挙中、子育て支援などを訴える候補者が多かった。
女性の躍進は、男女共同参画への一歩となる。喜ばしいことだ。
そもそも、政策決定の場で男女比が著しく偏るのはおかしい。例えば、那覇市の有権者数は女性が男性を1万人以上上回る。女性たちの声を政策に反映させるためには、男女比のアンバランスを解消する必要がある。
女性が躍進したとはいえ十分とは言えない。
日本は諸外国に比べ女性の社会進出が遅れている。
女性の参政権が認められて80年がたつが、政治の男女平等は道半ばだ。もっとスピードアップさせる必要がある。
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なぜ女性の政治進出が進まないのか。
内閣府が地方議員らを対象に行ったアンケートでは「政治は男性が行うものだという周囲の思い込みやそれによる慣習・環境」「侮辱的な言動・嫌がらせやハラスメント」「家庭生活(家事、育児など)との両立が難しい」などが社会参画の障壁になっているという回答が女性から多かった。
両選挙でも争点となった「選択的夫婦別姓」も課題の一つである。市議選の当選証書付与式では、証書に書かれた名前が、選挙で使用した通称ではなく結婚後の戸籍名だったことに違和感を口にする新人議員がいた。働く女性が増え、夫婦別姓を望む声が高まる中で、通称・旧姓使用の限界を示すような例である。
女性が社会進出する際の障壁を一つ一つ取り除くことが求められる。
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改選前の那覇市議会では、全女性市議が参加する「ブーゲンビレアの会」が、ひとり親支援の拡充や管理職への女性登用推進など女性の視点で市に政策提言を行っていた。
女性議員が増えれば、「当事者性」をもって女性が抱える社会課題を政治の場で提起し、問題解決につなげることができる。
女性議員が党派を超えて連帯し、共通課題に一つ一つ取り組んでいってほしい。