【名護】名護市立名護中学校3年1組と3組が、1学期の間に50回の学校給食の完食を達成した。生徒たちは中学校で最後になる給食を少しでも味わおうと、「今日も完食いける」「食缶にあとちょっと残っているよ」などと声をかけ合って「給食ペロリ」を目指している。
(北部報道部・松田駿太)
 最初に完食を目指し始めたのは3組だった。クラスのスローガンには「苦手なセロリ がまんしペロリ するのがセオリー それが俺ら3組 イェー」と掲げ、黒板の上に掲示する。食が細い子もいるため、食べることを強要する「給食ハラスメント」にならないようにと、たくさん食べられる生徒がその分多く食べるなど、助け合いながら数字を積み重ねてきた。
 3組担任の中村龍太郎教諭(35)は「完食は生徒たちが自発的に取り組んできた。完食を目指すあまり『ペロリハラスメント』にならないよう気を付けようと言い出した時には感動した」と目を細める。
 そんな3組に負けじと、追いかけるのが1組(宮城一基教諭)だ。両クラスは17日時点で完食回数が52回と拮抗(きっこう)している。
 机に給食が並び、合図のエーデルワイスが流れると「食べようぜ」と男子が声をかけ、海鮮焼きそばや、ワカメのあえ物を口にかき込む。「焼きそば残り3人前」「いけるいける」と給食トレーの残りを確認しながらこの日も完食した。
 給食のタコライスとカレーが大好きな1組の新垣碧音(あやと)さん(15)は「嫌いなものが出てもみんな頑張って食べてくれる。3組に勝つのはもちろんだけど、県内の中学校で一番完食が多いクラスを目指したい」と鼻息を荒くした。
 3組で給食委員を務め「揚げパン」に目がない宮里賢人さん(15)は、給食が終わると1組に行き「今日はどうだったば」とライバルを強く意識する日々だ。
「中3で給食は最後になるから今でいっぱい食べようと声をかけ合っている。1組は運動会などのイベントでも最大のライバル。給食でも絶対に負けたくない」と意気込んだ。
■「空になった容器うれしい」
 名護第2学校給食センター栄養士の伊波さきさん 中学生でペロリを目指す意識は素晴らしいし、50回完食は1年の終わりに達成できるかどうかの回数なので、1学期中での達成は本当にすごい。調理師さんたちも、空で給食の容器が返って来た日はとても喜んでいます。学校が楽しみになるような献立を考えているので、たくさん食べて大きくなってね。

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給食、それぞれのペースで「完食ペロリ」 沖縄・名護中学校3年1・3組が回数競い合う 「ペロリハラスメント」気を付け助け合う 
52回目の給食完食を達成した同校3年1組の生徒たち=17日、名護市の同校
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栄養士の伊波さきさん
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