海岸から距離がある別の園に避難しようと、バスに乗る園児ら=30日午前11時3分、名護市宮里

 ロシアのカムチャツカ半島東方沖で起きた規模の大きな地震を受けて、気象庁は30日午前9時40分、沖縄本島地方、大東島地方、宮古島・八重山地方に津波注意報を発表した。
 海の中や海岸付近は危険。
海の中にいる人はただちに海から上がって、海岸から離れる。潮の流れが速い状態が続くため、注意報が解除されるまで海に入ったり海岸に近づいたりしないようにする。
午後5時現在 県警本部の災害警備連絡室に津波到達に伴う被害の報告はなし。11管区海上保安部でも被害を確認していない。
午後3時42分 気象庁によると、大東島で最大波の10センチが観測される。
午後3時26分 気象庁によると、宮古島市平良で最大波の10センチが観測される。
午後3時過ぎ 沖縄県消防防災対策課の副参事は県庁で報道陣に、本島地方の中城湾港で午後1時33分に第1波、午後2時3分に最大10センチの津波が観測されたと説明した。「津波注意報は継続中。海岸部にいる方は安全な場所へ避難を」と呼びかけた。
 
午後2時半ごろ 沖縄県内に津波注意報が継続する中、近隣住民や観光客が続々と避難した那覇市松山の津波避難ビルでは、避難者たちが時間がたつにつれ、疲れた表情を見せた。那覇市若狭に住む女性(67)は防災無線で津波注意報が出ていることを知り、手押し車に現金や薬など必要なものを入れて避難。避難から3時間ほどが経過し「疲れてきました。
膝に障がいがあるので、同じ体勢でいるのもしんどい。たまに足を伸ばしたりしている」と語った。那覇市曙に住む女性(30)は生後10カ月の娘を抱っこして、オムツなどを入れたかばんを持参した。ぐずるわが子をあやしながら「家とは違う環境なので、子どもが寝られず泣いている。いつ家に帰れるのだろう」と不安げに語った。スーツケースを持った観光客の姿も。カナダから家族5人で観光に来たカナダ人の50代男性は、スマートフォンに届いた緊急速報で津波注意報が出ていることを知り、午前10時ごろ避難ビルに身を寄せた。午後になり、家族は机に伏せて仮眠を取って疲れた様子。娘(20)は「きょうはビーチに行く予定だったけど、自然のことだから仕方ない。充電バッテリーを持って来ておらず、そろそろ充電もなくなりそう」と話した。

津波注意報が発表され、閑散とする波の上ビーチ=30日午後0時54分、那覇市若狭(宮城貴浩撮影)

午後2時25分ごろ 沿岸地域に避難指示が出ている金武町の中川地区公民館には、英語学習キャンプで町内に滞在している子どもたち81人が避難している。キャンプは、英会話スクール「リリー・イングリッシュ・センター」(東京都)が実施し、全国の小学生から高校生までが参加している。
スタッフも合わせた95人は、津波注意報が出てすぐ、滞在先である町のネイチャーみらい館から、町屋内運動場に避難。午後に熱中症対策として、冷房を備えた同公民館に移った。現場マネージャーのセレゾー・ネイソンさん(24)は、参加者の保護者が入った連絡用のLINEグループで、子どもたちの安全を逐一報告している。「避難中は、保護者を安心させることも求められる」と話した。

英語学習キャンプに参加する子どもたちの保護者が入ったLINEグループで、スタッフは避難中の状況を逐一報告している=30日午後2時25分、金武町の中川地区公民館

午後2時3分 気象庁によると、沖縄市中城湾港で最大波の10センチが観測される。
午後1時45分 那覇発フェリーざまみの欠航が決まる。
午後1時33分 気象庁によると、沖縄市中城湾港に第1波が到達。
午後1時ごろ 那覇市前島の旅客ターミナルビル「とまりん」は、大勢の地元住民や観光客で混雑。乗船券売り場の窓口には一時、行列ができた。座間味島に住む平城龍一さん(25)は病院受診のため沖縄本島を訪れた。24日の便で島に戻る予定だったが台風の影響などで欠航が続き、約1週間帰れずにいる。「この間、仕事を休まなければいけなくて有給消化が続いている。
今後の休暇の予定が崩れてしまう」と声を落とした。東京から親戚5人で訪れた依田千晶さん(54)らは、座間味行きの船の出港判断を待った。「座間味ブルーが見たくて来た。望みを捨てずに待つ」と話した。午後1時半に予定していた出港の判断は、予定時刻を過ぎてもまだ出ていないが、25組、約60人がキャンセル待ちをしている。

出港の判断を待つ観光客や地元住民ら=30日午後1時半ごろ、那覇市前島・とまりん

午後1時ごろ 沖縄県の嘉手納基地は午前11時半から、国道58号側の第1ゲートから県道23号沿いの第5ゲートに抜ける避難路を開放。地元住民だけでなく観光客など避難が必要な人すべてが利用できる。午後1時半に記者が避難路を通過した際、第5ゲートの職員に避難ルートを使った県民や観光客の人数を確認すると、職員は「今の所、この避難ルートを使った人はあなたが初めてです。第5ゲート付近は標高が高いので安全な場所に避難してください」と話した。

沖縄市山内の嘉手納基地第5ゲート=30日午後1時45分

午後1時 第11管区海上保安本部が入る那覇港湾合同庁舎(那覇市港町)の避難者がゼロに。
午後1時現在 沖縄県の防災情報ポータルサイト「 ハイサイ!防災で~びる」によると、県内7市町村が避難所21カ所を開設した。415人が避難している。
那覇市の若狭公民館や津波避難ビル、国頭村の村民ふれあいセンターにはそれぞれ100人以上が身を寄せる。
午後0時45分現在 沖縄県内11市町村が避難指示を出している。11市町村は午前10時9分に出した北中城村を皮切りに、宜野座村、宮古島市、竹富町、那覇市、豊見城市、糸満市、渡嘉敷村、恩納村、北谷町、金武町。

津波注意報の発表を知らせる電光掲示板=30日午後1時5分、那覇市若狭(宮城貴浩撮影)

午後0時半ごろ 中城村役場には、海抜2㍍に位置する中城村吉の浦こども園の0~5歳の園児と職員計約80人が自主避難した。長い人で午前10時ごろから午後2時まで約4時間、村役場の会議室で過ごした。泉川和代園長は「大切な子どもたちをお預かりしているので心配だった」と津波注意報発令後すぐに避難を決めた。年1度の避難訓練の実施や昨年4月の津波警報の際に村役場屋上への避難を経験した園児も多く、「今回は比較的スムーズに避難できた」と泉川園長。対応可能な家庭には子を迎えるよう随時連絡を取り合っていた。午後0時半ごろ、避難先の会議室では、プロジェクターでアニメ映像を放映する横で、1歳児クラスの園児がお昼寝をする姿もあった。2歳長女を迎えに来た玉那覇晃さん(29)は「園から小まめに連絡が来ていたので安心できたが、津波注意報や警報が出ると少し不安にはなる」と話した。

中城村役場に避難した中城村吉の浦こども園の園児、職員ら=30日午後0時半ごろ

午前 津波注意報を受けて、国頭村役場4階には近隣の保育園や中学校から園児や生徒らが避難した。午前10時半までに生徒を連れて計40人ほどで避難した国頭中の職員らは、保護者へ避難した生徒の引き渡しを進めている。
男性職員は「注意報発令後、生徒に呼びかけ、6分後に役場に向かい始めた。今日は(夏休みのため)生徒は30人ほどだったが、通常の登校日に全校生徒106人を避難させるのは大変だ」と話した。国頭村役場は4階と3階の一部を避難所として用意し、住民らを受け入れている。防災無線で海岸に近付かないよう呼びかけている。役場横の国頭村民ふれあいセンターには午後1時現在、近隣の子ども園から120人を超える園児と職員が避難している。

くにがみこども園から120人を超える園児と職員が避難している=30日、国頭村民ふれあいセンター

午前11時半 石垣島と竹富町の有人離島を結ぶ石垣港離島ターミナルでは、定期便航路が午前10時台から全便欠航。夏休みシーズンで多くの観光客で賑わっていた同ターミナル内では、フェリー会社の職員が海抜の低い建物から高台方面に避難するよう呼びかけた。11時半ごろには、同ターミナルは一時閉館。東京から石垣に家族5人で訪れ、竹富島に向かう予定だった男性(54)は「自然災害は仕方ない。被害がないように備えたい」と話して足早に建物から出た。

津波注意報の発令に伴い閉館した石垣港離島ターミナル=30日午前11時35分ごろ、石垣市美崎町・同ターミナル

午前11時ごろ 沖縄県名護市宮里の沿岸部に近い保育園で、安全な場所への避難が始まる。社会福祉法人羽地福祉会が運営する小規模保育園みなと、星のしずく保育園分園ニコの0~2歳の計32人と職員は、海岸から距離がある名護市宇茂佐の別の園に避難した。
園児らは午前10時半ごろに、近くの7階建てビルに一時避難し、宇茂佐の園から出向くバスを待った。市民に対する避難指示は出ていないが、みなとの金城勇介園長(43)は「避難が遅れて何かあったら困る。万が一を考えて、子どもたちの命を預かる保育園として避難を決めた」と語った。職員はおむつやお尻拭き、お菓子、水を入れた防災バックを背負い、園児らを誘導した。金城園長は「職員も現場を離れるなら離れると声かけして、気を付けて対応する」と話す。

海岸から距離がある別の園に避難しようと、バスに乗る園児ら=30日午前11時3分、名護市宮里

午前11時ごろ 沖縄気象台が記者会見し、沖縄本島沿岸部では30日午後1時ごろに注意報レベルの津波(0・2~1メートル)が到達する可能性があるとの予想を発表。気象台は「津波は長い時間繰り返し襲ってくる。第1波より後に来る波が大きいこともあるので、津波注意報が解除されるまでは海に近づかないで」と呼びかけた。
午前10時43分 沖縄県が津波注意報発表にかかるウェブ会議を開く。①遊泳場や海近くでレジャーをしている人は高台に避難を②それぞれが率先して避難を③家族や友人が避難しているかを確認するために海に近づかない④津波の到達予想時刻まで1時間以上あるので、慌てず落ち着いて徒歩での高台避難を徹底する⑤津波の到達30分前には消防や防災対応者も避難するーの5点を呼び掛ける。

津波注意報発表を受け、関係機関とウェブ会議する職員=30日午前10時40分すぎ、沖縄県庁

午前10時40分 那覇市田原の「ABCレンタカー」には約20人の観光客の姿が。レンタカー会社のスタッフによると、公共交通機関や空港が運行を停止しない限りは、通常通り営業するという。岐阜県から家族4人で来た30代女性は「まさか旅行先でこんなことになるなんて。岐阜は内陸県だから津波の危険もあまり感じたことがなく、今とても怖い。海に行けなくなって残念だけど、市街地を回ったり、ホテルでゆっくり過ごしたりしたい」と話した。
午前10時半 第11管区海上保安本部が入る那覇港湾合同庁舎(那覇市港町)には港湾関係者ら41人が避難
午前10時半時点 那覇空港を発着する航空便に、津波警報・注意報発令による欠航や遅延などの影響は出ていない。

津波避難ビルに避難する人たち=30日午前10時33分、沖縄県那覇市松山(宮城貴浩撮影)

午前10時半時点 沖縄都市モノレールは通常運行。沖縄県バス協会によると、県内のバスも通常運航している。 
午前10時ごろ  那覇市松山の津波避難ビルには、30日午前10時過ぎから、近隣の住民やスーツケースを持った観光客が続々と避難した。11時半時点で約50人が集まる。中国から家族7人で訪れた男児(12)は3日間の旅行の2日目。テレビのニュースや携帯電話に届いた緊急速報で津波注意報が出ていることを知り、近くにいた人から勧められて避難ビルに来たという。「みんなでここに集まっているから安心だけど、少し心配」と語った。近くの若狭に住む女性(74)は夏休みで自宅に遊びに来ていた小学生の孫2人と避難。息子の妻から津波注意報が出ていることを聞き、慌てて避難を決めたという。小学3年の孫は「家でゲームができなくなって悲しい。津波が来るかもしれないと聞いて、ちょっと怖い」と話す。

津波避難ビルに入る人たち=30日午前11時35分、那覇市松山(宮城貴浩撮影)

午前10時ごろ 北谷町のアラハビーチ周辺で、沖縄県警のパトカーが「津波注意報が発令されています。海岸付近にいる方は速やかに離れて高台に移動してください」と避難を呼びかけ。北谷町のサンエーハンビータウンの立体駐車場には午前10時過ぎから、車に乗った周辺住民が多く避難した。近くに住む40代女性は子ども3人と共に避難。昨年4月の津波警報の際にも避難してきたという。「家族で注意報が出たらここに避難することを決めていたので」と話す。家族で津波の避難場所を決めたきっかけは2011年3月の東日本大震災だ。津波の映像を見て、「海岸線に住む私たちも人ごとではない」と考え、家族で話し合い、避難場所を決めた。この日は飲食品を持って避難したといい「何事も被害が出なければいい」と話す。
 
午前10時 那覇市の泊港を出港し渡嘉敷島に向かう予定だった「フェリーとかしき」は出発直前に運航中止となり、乗客が下船した。

津波注意報の発令に伴い、出港前に下船する乗客ら(読者提供)=30日午前10時前、那覇市の泊港
 
30日午前9時40分 沖縄県内全域に津波注意報を発表。沖縄県は災害情報連絡室を立ち上げて情報収集にあたる。県警本部も「災害警備連絡室」を設置。警察用船舶を出動させ、沖縄本島や離島の沿岸部でダイビング客や釣り人らに注意喚起を始めた。
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