【石垣】漁業者でつくる石垣市漁業集落は7月14、15日の両日、八重山近海でサメの駆除作業を実施した。石垣漁港の岸壁では最大で590キロのイタチザメなど計109匹が水揚げされた。
作業には22隻の漁船で約130人が参加。漁港には関係者や観光客らが集まった。(奥沢秀一通信員)
 サメ駆除は八重山で45年以上前から実施されている。夏の時期に漁場の管理改善事業の一環で実施。漁業者の安全操業と漁獲量の安定化につなげている。
 サメ駆除の仕掛けはカツオを餌に約100~150本の針を使用する。回収されたサメは水揚げ後、すぐに解体する。
 駆除に参加した久貝強さん(59)は「今年は他の漁師からサメが多いとの声が多数出ていた」と振り返る。
 アカマチなど水深150~300メートルにいる魚は漁船のエンジン音を聞くと集まってくる習性がある。
 サメは深さ70メートル付近で待ち構え、漁業者が魚を引き上げ始めると道具ごと魚を奪っていく被害が多発しているという。
 駆除されたサメは皮革製品やペットフードなどに利用される。水揚げ時には国際協力機構(JICA)の職員が南太平洋の担当者と視察に訪れた。

 ミクロネシア連邦のダーレン・エジールさん(40)は「われわれの漁師は水中銃を使うが、仕留めた魚がサメに横取りされる被害が多い。行政と漁師が連携し、駆除だけでなくサメの肉も資源として生かしていることは画期的だ」と石垣の取り組みを評価した。
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