本浜さんは、漫画家としてスランプ状態にあった手塚さんが、1973年に連載が始まった「ブラック・ジャック」により復活したと説明する一方で、沖縄との関係もその背景にあるとの見解を示した。
本浜さんは、手塚さんが75年に開幕した沖縄国際海洋博覧会のシンボルだった「アクアポリス」の展示プロデューサーを務めた縁で、沖縄を舞台、モチーフにした作品を描いていることを紹介。「手塚治虫がテーマにしていた戦後や戦争、命、自然といったものが詰まっている場所が沖縄だった」と論じた。海洋博以前から沖縄に関心を持っていたことも指摘した。
講演は、同館で開催中の「手塚治虫 ブラック・ジャック展」(主催・沖縄美ら島財団、沖縄タイムス社)の関連企画。(社会部・真栄里泰球)