宮城さんは7月21日午前3時過ぎに東村高江で体長7センチほどのもみ合っている2匹のオカヤドカリを見つけ約1時間20分撮影した。1匹がはさみでもう1匹の体をつかんで貝殻から追い出し、二つの貝殻にそれぞれ2回ずつ入ったり、貝殻の外側を見て回ったりして念入りに確認。その後奪った貝殻に収まったという。
もう1匹はその間、1・5メートルほど離れた草むらに隠れ、3回ほど貝殻を取り戻そうとしたが威嚇されて近づけず、裸のままの時間が続いた。貝殻を奪った個体が少し離れた隙をついて、その個体が元々入っていた貝殻に収まって逃げたという。
宮城さんは「身近な生き物の行動でもまだよく分かっていないこともたくさんある。その一部を記録できたのは良かった」と話した。鹿児島大水産学部の土井航准教授は「貝殻交換は比較的よく観察するが、長いグループでも15分程度。腹部を入れて確認することはよく見られる行動だが、ここまで慎重な個体は珍しい」と話した。(社会部・塩入雄一郎)