ホントウアカヒゲは赤茶色と白い体を持ち、くちばしから胸にかけて黒い模様があるのが特徴。地面で餌を採る習性からマングースによる捕食事例があり、近い将来に野生で絶滅する危険性が高い絶滅危惧IB類に指定されている。
渡久地さんは6月10日に同市源河で高くてきれいな鳴き声を確認。同23日に近くを流れる沢で雄の個体の撮影に成功した。ひなのふんを水辺に捨てる習性を確認できたことから、付近で営巣しているとみられる。
生息域が戻りつつある背景には、大宜味村塩屋と東村の福地ダム間に設置するマングース防護柵(SFライン)より北側で環境省が、南側で県がマングースの捕獲を進めてきたことがある。
県自然保護課によると、県が担当するゾーンでは捕獲数が減少傾向にあり昨年度の実績は約300匹。同課の宮平良成さんは2年前に同じエリアでヤンバルクイナが確認されたことに触れ「長年続けてきた事業の成果が出た」と指摘。環境省沖縄奄美自然環境事務所の澤志泰正さんは、対策の継続が重要とし「マングース問題に関心が高まってくれたらうれしい」と語った。(北部報道部・松田駿太)