縄文時代の土器や石器などが出土した沖縄北谷町伊平の国指定史跡「伊礼原(いれいばる)遺跡」の公開が7月から始まった。遺跡の敷地は約1万7千平方メートル。
隣接する町立博物館と一体で整備され、歴史と自然を肌で感じられる新たな学びの拠点となっている。開園時間は午前6時~午後10時。(中部報道部・垣花きらら)
 博物館の藤彰矩学芸員は「遺跡で発見された物を隣の博物館で見ることができ、当時の暮らしを立体的に想像できる。過去にタイムスリップした感覚をぜひ味わってほしい」と来場を呼びかけた。
 伊礼原遺跡は1997年に発見され、2005年まで発掘調査が行われた。縄文時代からグスク時代、戦前まで約7千年にわたる暮らしの跡が残る貴重な地域だ。大量の動物の骨や貝製品も見つかっている。
 中心には約7千年前から湧き続けている泉「ウーチヌカー」があり、人々の営みを支えてきたとされる。遺跡前の道路沿いでは、地中から発掘されたビーチロックが展示されている。海浜の堆積物が固まったもので、この場所がかつて海だったことを物語っている。
 遺跡では縄文時代の自然環境を再現し、当時の風景を体感できるように工夫した。かつて海辺だった道路沿いには海浜植物のアダン、湿地にはサガリバナを植栽。
また、戦前に伊礼や桑江の集落で屋敷の境界に植えられていたフクギも、博物館と遺跡の間に移植した。
 今後、竪穴住居の復元に加え、遺跡から大量に出土したドングリに着想を得て、新たにドングリの苗木を植えた「どんぐりの森」を整備する予定だ。
 博物館では「縄文時代の交流」をテーマに遺跡から出土した資料や地層、ジオラマを通して当時の生活を再現している。月に1度、学芸員によるガイドツアーも実施する。
「タイムスリップした感覚を味わって」 縄文時代から7000年...の画像はこちら >>
「タイムスリップした感覚を味わって」 縄文時代から7000年に渡る歴史語る国史跡「伊礼原遺跡」 沖縄・北谷町が公開 隣の博物館で学習可能に
7月に公開された国指定史跡の伊礼原遺跡
編集部おすすめ