「沖縄に帰りたい」その一心で… 真栄平仁が移民の少年に人生を重ねる理由　劇団O.Z.E「イッパチとヤマト」16・17日上演！

本番に向けて稽古を重ねる出演者ら＝8月5日、那覇市港町のオリジンlil

　劇団O.Z.Eの6年ぶりとなる本公演「イッパチとヤマト」（作・演出：真栄平仁）が16、17日の両日、沖縄市民小劇場あしびなーで上演される。約110年前に南風原からブラジルへ移民した2人の少年の友情と生涯を描く物語。作・演出の真栄平は「とにかく熱い話です。良い仕上がりになっている。明かりと音を入れた劇場で、早く多くの人に見てもらいたい」と、当日を待ちきれない様子で自信をのぞかせる。

（左から）イッパチ役の渡嘉敷直貴、作・演出の真栄平仁、ヤマト役の阿波根昌悟＝8月5日、那覇市港町のオリジンlil

　劇中では、14歳のヤマトはのちに日系移民初の歯科医師に、12歳のイッパチはブラジルのトップ賭博師となり、協力し合いながら、それぞれ“表と裏”の世界で成功を手にする。真栄平は「2人の『沖縄に帰りたい』という一心が、観る人に必ず伝わると思う」と話す。元となるストーリーは書籍などで10年ほど前から知っていたといい、その時から「いつか絶対上演しよう」と心に決めていたという。その理由は「シンパシーを感じたから」
　所属事務所であるオリジンlilの会長でもある真栄平は、同社の前身であるオリジンコーポレーションを、当時組んでいたお笑いコンビ「ダーティービューティー」の元相方・金城幹雄氏、前会長の真栄平房修氏と3人で1996年に立ち上げた。「僕らのコンビは表に出て、真栄平房修は裏方を務める－そんな役割を決めて事務所を始めたんですよ」と、自らの人生にイッパチとヤマトを重ねてみせる。

真剣なまなざしで稽古に目を向ける真栄平仁（手前）＝8月5日、那覇市港町のオリジンlil

　近年は他の団体や組織と一緒になって公演をすることもが多かったが、コロナ禍を挟み、今回は6年ぶりの本公演となる。

ヤマト役の阿波根昌悟（左）とイッパチ役の渡嘉敷直貴＝8月5日、那覇市港町のオリジンlil

　イッパチを演じる渡嘉敷直貴は「わくわくしながら見に来てほしいです。さまざまな人物との交流を通して当時の熱量を感じられると思います。僕らと一緒に沖縄の歴史を勉強してもらえたら」と呼びかける。
　ヤマトを演じる阿波根昌悟は「特に学生さんは、これから故郷を離れて生活していく人も多いと思います。この作品を思い出して、自分が育った島を忘れずに頑張ってほしいです」と、約110年前の主人公と現在の同年代を重ね合わせた。
　料金は一般4000円、学生3000円、小中高生2000円。予約はメールoze.origin@gmail.comまで。

 
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